面接・面談の達人 〜目には見えない力を鍛える125の問い / 相川秀希

画像引用:Amazon

著者は、サマディグループという教育関連事業を営む会社のCEOです。

「洞察力」「多角的な視点」「好奇心」等々、25のスキル(THE 25 SOFT SKILLS)に対し、5個の問いが用意されており、合計すると副題にある125の問いになります。

問いに対する答えは、全て著者が実際にZ世代の受験者に投げかけ、得られたものだそうです。

いずれの問いも正解がないため、抽象的な課題に対する思考力が試されます。

一方の面接する側は、得られた答えから、彼ら彼女らの25のスキルに対する視点を繙いて(紐解いて)いくことになります。
本書では、繙く(紐解く)という単語が多用されていますが、中には、(私のように年齢の高い)面接者の世代には思いつかないような答えもあり、彼らの思考の奥底を探っていく行為は、まさに”繙く”に他なりません。

問いと答えを繋ぐヒントについては、著者のコメントが手掛かりになりますが、それとて正解ではなく、Z世代と面接者世代、それぞれの世代に対し思考のトレーニングを促すことが本書の狙いです。

各問いに対し、先ず自分の答えを準備してから、Z世代の答えと著者のコメントを読み比べることで、
思考のトレーニングが楽しめる良書です。

一例を本書から引用しておくと、
質問:「あなただけが1日28時間使えるとしたら、特別な4時間を何に使いますか?」
Z世代のコメント:「一瞬が重要。単に時間が増えただけでは、特別にはならない」
といった具体です。

実用的な使い方としては、実際の面接の場面で試してみる手もありますが、こんなロマンチックな問いを唐突に放つのは、ちょっと腰が引けてしまいそうです。

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