コロナが5類に変更され、新幹線を使う機会が増えました。
駅も車内も、日本人と外国人観光客でごった返しています。
そんな中、「そこ、ワタシの席なんですが・・・」という会話を頻繁に耳にするようになりました。
新幹線の中での座席の間違いによく遭遇するんですが、決して偶然ではないと思っています。
マスクや消毒、検温、PCR検査等、様々な規制から解放され、皆気が緩んでいるじゃないでしょうか。
先日の出張でも、同じ列車で2件の間違いに遭遇しました。
一つは、サラリーマンらしきオジサンでしたが、間違えられた人との会話から察するに、9列と6列を間違えたようです。
オジサンは「数字を逆さに見てました!申し訳ない、ガハハハッ」とか明るく謝っていました。
こんな時は、照れ隠しで憮然としたくなるところですが、明るく謝れるオジサンを尊敬してしまいます。
もう一つは、これもサラリーマン風のオジサンでしたが、席に座っていた品の良さそうな高齢の婦人に向かって「そこ、ワタシの席ですよ」と不機嫌に指摘していたんですが、ご婦人がオジサンの切符を見せてもらうや「あなた、新大阪行の切符をお持ちですけど、この列車は鹿児島に向かっていますよ」と、座席番号の見間違いの遥かに上を行くオーマイガッ!でした。
しかも冷静に指摘するご婦人の声は、しっかり周りにも聞こえており、笑って場を和ませられるレベルではありません。
行き場のないオジサンは、謝りもせず憤然とした態度で、車両を移動していきましたが、そこまで取返しのつかない間違いを犯すと、どこに怒りをぶつけてよいものやら、パニックになる気持ちもわかりますが、やっぱり自分が間違った時は謝らなきゃね。
チキンの私は、指定席に座る前に、3度ぐらい自分の座席番号を確認します。
座った後も念のためまた確認し、失態を犯さないよう細心の注意を払っているので、間違うはずがありません。
でも念のため、もう一回確認しとこーっと。
そんな私に注目している人なんかいないはずなんですが、
あいつ、何回切符を確認すれば気が済むんだ、と思われないよう、さりげなく確認するのがコツです。
前回の新幹線出張から数日後、皆、不注意過ぎるよ、などと前回の出張を思い返していたら、若い女性が困った顔をして私の席の横で立っていたので、もしやと思って確認したところ、窓側Aと窓側Dを間違えて座っていた私でした。
「あっ、すみません」とかヘラヘラしながら、同じ列の反対側の席に移動したんですが、飛行機を利用する人はおわかりのとおり、飛行機は進行方向に向かって常に左からAなのに対し、乗車した新幹線は何故か右からAなんです。
これは明らかにJRに怒りの矛先を向けるべきでしょ、と思って気づいたんですが、飛行機と違って、新幹線は往路と復路では、先頭と最後尾が入れ替わるわけですから、飛行機みたいに、常に進行方向に向かって左からAになるわけではありません。
ハイ、私の思い込みでした。
通路を挟んで同じ列の右と左だと、間違えた相手が何となく視界に入ってしまい、気まずさが残ります。
誰か間に座ってくれないかな、と思っていたら、小柄なプロレスラー並のラテン系の女性が、もう一人スーツケースの中に入ってるでしょ、ってぐらい巨大なスーツケースを引っ張って乗車してきて、私の隣に座りました。
巨大なスーツケースの持って行き場に困っていたので、手を差し伸べて網棚に挙げてやりたいところなんですが、見かけだけ若作りで、ひ弱なジジイに持ち上げられそうな大きさではなく、カッコつけたら、間違いなく途中で落として大惨事を招く恐れがあったため、日本はレディーファーストの国じゃないんだぜ、セニョリータ、って心の中で言い訳しながら、ひたすら降りてくれるの待っていました。
さて、セニョリータが途中駅で下車し、再び間違えた女性との間の視界が開け、新幹線は終点の新大阪に到着。
彼女が、降り支度でスーツケースを空いた席の前に置いていたところ、急な揺れで、スーツケースが通路を越えて私の席まで滑ってくるではありませんか。
セニョリータのスーツケースを網棚まで持ち上げられない非力な私でも、スーツケースを押し返すぐらいの力は持っています。
無事、女性のもとまで送り届け、恥ずかしそうな顔をしている彼女を見るにつけ、心の中で、大丈夫ですよ、誰にでも失敗はありますよ(タラちゃんの口調で)と優しく微笑みながら、これでおあいこですね、とホッとしたイダログでした。