伝染るんです(うつるんです)

昔好きだった吉田戦車の不条理マンガをタイトルにしてみました。

8月に家族全員がコロナに感染し、自分ひとりだけが難を逃れ、褒められるどころか、地球外生命体を見るような目でみられたばかりだったんですが、10月に入り、今度はまた家族全員がインフルエンザに罹患しました。
今回も私だけ無傷なのですが、これほど感染症に縁がないと、むしろ何かの病気なんじゃないか?と心配になります。
一年中鼻炎に悩み、鼻の通りが悪い娘が、年に数回だけ鼻の通りが良い日があると、アタシ病気かしら?と動揺しだす気持ちがわかります。

コロナの時は皆軽症だったのに、インフルの方がむしろ重症化しているため、家の中が野戦病院のような状態で、映画オタクの私は、すぐにパンデミックものの映画を思い出してしまいました。
ドラマだと、感染を恐れず治療に奮闘していた医師が、休憩中コーヒーを飲んでいたりする時、突然症状がでたりするんですが、私は今のところ、今回もアンブレイカブルです。

インフルエンザには、例の、鼻の穴にコヨリみたいなのを突っ込む恐ろしい検査が付き物ですね。
コヨリを突っ込まれる時って、(やめてくれ!鼻の穴が、そんなに奥深くまで通じているわけないだろ!)って叫びたくなるくらい、想定外に奥深く突っ込まれてパニックになります。
実際は叫ぶ間もなく、すばやく突っ込まれて、引き抜かれるんですが。
これだけ医療が進歩している時代に、あのコヨリみたいなのを突っ込むしか検査方法がないのでしょうか。

4歳の孫クンは、既にトラウマになっていて、熱にうなされながらも、「お尻(座薬のこと)と、鼻の穴はやめて~」とうわ言のように繰り返しています。
ちなみに、コヨリみたいなヤツの医療用語があるのかと思って調べたんですが、結局、”鼻用綿棒”と書かれていて、意外と地味な名前でガッカリしました。
しかも、頭の中のイメージはコヨリだったんですが、実際は超ロングな綿棒なんですね。
多分、ロング過ぎて患者が怖がらないように、「上を向いてくださーい」って油断させたスキに、さっと取り出して鼻の穴に突っ込むから、マジマジと観察する機会がなかっただけかもしれません。

いきなり突っ込んでくるっていうのも、少しでも患者の痛みを和らげたいと願う、お医者さんなりの優しさなのかもしれません。
あらかじめ「さあ、入れますよ~」などと、ニヤニヤしながら突っ込まれたら恐怖が増すだけです。
痛みに意識が集中すると、余計痛みが敏感になるって言われてますもんね。
映画なんかで、麻酔なしに銃創から弾丸を抜くとき「1、2、3で行くぞ!」とか言いながら「1!」でいきなしナイフを突き立てる場面がありますが、あれって痛みを緩和するのには理にかなってるらしいんです。
「グッド・ドクター」のマーフィー先生もそんなことを言ってましたっけ。

家族全員がインフルになってあらためて知ったんですが、例の鼻用綿棒を突っ込む検査って、両方の穴に突っ込む病院もあるらしいんです。
孫クンがそうでしたが、病院によって、一穴派と二穴派があるんでしょうか。
学会なんかで「テメエ、そんなヤワなこと言ってやがったら、両方の鼻の穴に指ツッコんで引きずり回すゼ」とか、「ワレ、なめとんか、”綿をはずした”綿棒突っ込んだろか!」とか二派に分かれ日夜患者のために激論を交わしているのかもしれません。

皆からワンテンポ遅れ、最後にインフルに罹った婿君ですが、孫クンが両方の穴に”鼻用綿棒”を突っ込まれたという話を聞いて恐怖し、娘や妻の検査方法がどっちだったのか聴いてまわっていました。
遅れて感染したので、未だに一人だけ隔離されていますが、感染するちょっと前に孫クンから「パパは58番目に好き💛」と言われ、自分の前に57人もいることに少なからずショックをうけた様子でしたので、早く隔離が解けて、孫クンとの絆を取り戻したくて焦っていることと思います。

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