これより、オペをはじめます

孫クンは耳そうじが大キライです。
ところが体質なのか、しばしば耳の穴が塞がりそうになるほど耳垢がたまります。

ネット上では、お医者さんたちが口をそろえ「耳垢は、絶対に!耳かきで掃除してはいけない」などと、忠告を無視したら取り返しのつかないことになるぞ、と脅さんばかりに耳かきによる耳そうじの恐ろしさを語っています。
耳垢は、何もしなくても自然に排出されるから耳そうじなんかしなくていい、ということらしいんですが、そう言われましても・・・、ですよね。
お医者さんの忠告なのに、ほとんどの日本人が無視しているも不思議ですね。

そもそも、耳の穴が塞がるほどたまった耳垢をそのまま放置しておいても本当に大丈夫なんでしょうか。
その点は、明確な解説が見あたらないため、娘の家では定期的に孫クンを押さえつけて耳そうじをすることになります。

予防接種は観念して受け入れてくれる孫クンですが、耳そうじの時(それと、お尻に座薬を入れられる時)ばかりは、ホラー映画のように泣き叫んで抵抗します。
外に声が漏れたら間違いなく虐待を疑われ、通報されそうなレベルなんですが、暴れ方もまた尋常じゃなく、誰かが助手として体を押さえつけなければならないほどです。

我が家ではこれを、オペと呼びます。

そうまでして耳そうじをしないと、生命の危険が及ぶんでしょうか?
毎回毎回修羅場を見せつけられるのも、ジージとしては耐えられません。
お医者さんにも、そこんとこ的確なアドバイスをお願いしたいものです。

当然、そうじする側でもあの手この手で、スムースなオペを実行するための工夫に余念がありません。
先ずは、皆さんも綿棒を思いつくはずですが、壁面にこびりついた頑固な耳垢には効果的ではありません。
同じような理由から、シリコン製の柔らい耳かきでも結果は同じでした。
耳の穴に異物が入ることで、無駄に大騒ぎされる割には耳垢はとれません。

次に試したのが、耳かきの先端部分にライトが装着されているヤツです。
孫クンが怖がるのは、耳かきの操作を誤って、奥までズボッ、と入ってしまった時の恐怖心がトラウマになっているからなので、明るく照らすことで、丁寧な作業ができるんじゃないか、ってことだったんですが、所詮耳の中が見えやすくなるのは、そうじする側の都合ですから、孫クンにとっての恐怖心は消せません。

そこで登場した最新兵器が、イヤースコープと呼ばれる、耳かきの先端部分にカメラがついていて、耳の穴の映像をブルートゥースでスマホに飛ばし、確認しながらオペできるっていうシロモノなんですが、もうここまでくると、ドクターXの内視鏡手術です。

私も生まれてこのかた自分の耳の穴なんか見たことありませんでしたので、孫クンの耳そうじなどそっちのけで、ついつい見とれてしまいました。
半世紀生きてきて、自分の耳の穴を自分の目で見られる日がくるなんて。

もちろん最新兵器を使ったところで結果は同じです。
今日もまたオペと言う名の児童虐待が始まります。
“孫クン命”の婿君にとっては、愛する息子のためとは言え、オペの助手として手足を押さえつけていなければならないことに苦悩しています。

孫クンの叫び声に耐えきれず、突然何を思ったのか「ミーミ(孫クン)、痛かったらフーフーって言いなさい。せ~の!フーフー」って?完全に状況設定を勘違いしている婿君でした。

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