具体的な曖昧さ

「出前一丁」(日清食品)って子どもの頃から食べているな、と思ったら1968年から販売が開始されたそうなので、すでに半世紀以上続くロングセラーです。
普段、しげしげとパッケージを見る機会もなく気付かなかったのですが、「ごま約1000粒分のセサミン」と書かれています。
以前はそんなキャッチコピーはありませんでしたが、2015年からだそうです。
1000粒って、いったいどの程度の量なのでしょうか。
とてつもない数量のような錯覚を覚えますが、重さにすると10㎎だそうですので、ほんのちょっぴりなんです。
1000粒数えてみようかとも思ったのですが、確かめてみなくてよかった😌。

実際は大したことなくても、数字の見せ方で印象がガラッと変わりますね。
一方で、具体的な数字を示されても、漠然とした納得感しか得られないこともあります(なんかわからないけど、たくさん入ってそう…)。

ちなみに、本当は「サッポロ一番しょうゆ味」(サンヨー食品1966年発売)がお気に入りなのですが、近隣のスーパーはどこも「うまかっちゃん」(ハウス食品1979年発売)推しです。
どこを探しても「サッポロ一番しょうゆ味」が見当たりません。
九州人は全員豚骨ラーメンを食べてるっていう思い込みは、単なる偏見に過ぎないことに気づいてもらいたいものです。

ビタミンCのサプリを十数年間毎日欠かさず飲み続けています。
効果があるのか如何かわからないのですが、習慣になってしまうと、やめたが最後、急激に体が衰弱し、吸血鬼に精気を吸い取られたみたいに干からびて死んでしまうんじゃないかと思うと、怖くてなかなかやめられません。
私が愛用しているサプリには誇大なキャッチコピーは見当たりませんが、「C.C.レモン」の500mlペットには、レモン40個分のビタミンC(サントリーお客様センターのQAより)が入っているそうです。
レモンなんて生ガキか鶏の唐揚げに絞るために一切れ使う程度なので、40個も食べたらむしろ体を壊すんじゃないかと心配になります。
わかってますって、別にレモンを食べるっていう話じゃなくて、成分の問題なのですが、どうしてもレモンを40個食べる自分を想像してしまいます。

マイク・ポップコーン(ジャパンフリトレー)には、レタス2個分の食物繊維が入っていると表記されています。
これもレモン同様、レタス2個を食べるわけじゃありませんが、そう聞いただけでお腹一杯になってしまいそうです。
実際、ポップコーンを一袋食べるのは、ちょっと胃にもたれそうじゃないですか。

永谷園のインスタント味噌汁には「しじみ70個分のちから・・・」と書いてあります。
“ちから”の一言が妙に説得力を持ってますね。

東京ドーム〇〇個分っていう比喩もよく耳にします。
1個だってとってつもなく広いのに、それが○○個集まったからって、どのくらいの広いのか一般人には見当もつきません。
どうです広いでしょ、って言われても、具体的すぎてむしろ曖昧に感じます。
英語では、”フットボール場〇〇個分”とか言うそうです。
ドジャースタジアムとか、ヤンキースタジアムとか特定すると、揉めるからでしょうか。

月まで〇〇往復できる距離、っていう表現もあります。
ほとんどすべての一般人が月まで行ったこともないのに、〇〇往復って言われたって、超遠いんだろうな、程度しかわかりません。

「海峡封鎖なら20倍報復だ!」って真顔で脅す大統領がいます。
「倍返しだ!!」って言うセリフはカッコ良く聞こえましたが、20倍にして返すって言われても、幼稚園児かよ?って思わず口元が緩んじゃいますよね。
すっかりオジサンになってしまった息子は、幼稚園児の頃「オレをバカにしたら、目にキックするよ!」を決め台詞に使っていました。
目にキックされた時の痛さが想像できて、幼稚園児ながら、うまい喩えだなと感心してしていました。

それに引き換え、”20倍返し”の方は、具体的な数字を掲げている割には、怖さが伝わってこない比喩です。

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