三体Ⅲ 死神永生

画像引用:Amazon

Ⅱの「黒暗森林」が、なんとなくスッキリと完結したので、本作まで読み進む意欲が薄れ、数年間未読だったのですが、Netflixの実写版を見て、あらためて興味が湧き手にとりました。

傑作です。まさに、SF小説の金字塔です。
Ⅱで終わったような気になっていた私が間違っていました。

骨太なハードSFの骨格を持ちながら、スペースオペラのような活劇要素も持ち、異星人の侵略モノの恐ろしさも感じられ、はたまた、遠大な時空を超えたラブロマンスの要素まで織り込まれています。
これだけの要素を織り込みながら、全てが整然と大団円に向かって収斂されていく展開は、お見事としか言いようがありません。

多少物理学の知識を求められる描写もありますが、私もチンプンカンプンながら、物語の展開を追っていくのには、さほど大きな障害にはなりませんでした。
何となくわかった気になっていれば、物語自体は十分楽しめます。

Ⅱで一旦、三体人の侵略を阻止した地球文明ですが、多少の友好関係を築きながらも、陰では用意周到に準備を進めてきた三体人により、再び存亡の危機に晒されます。
危機一髪で、最大の危機を乗り越えたものの、事態は急展開し、さらに大きな危機に見舞われます。
人類は思いもよらない結末を迎えますが、宇宙的規模で見れば決して救いようのない結末ではなく、0に戻って再び未来が始まる予感を感じさせる、ロマンティックな結末ではないかと思います。

タイトルとURLをコピーしました