三体Ⅰ/劉慈欣(再掲)

画像引用:Amazon

三部構成の中華SFです。
日本では二部まで出版済ですが、先ず第一部を読みました。

オバマ氏やザッカーバーグ氏が愛読していて、
とりわけ若いビジネスパーソンに人気との触れ込みでしたが、
そこで先入観を持つと良い意味で期待を裏切られます。

テッド・チャンのように、知的なインスピレーションで、
読者に挑んでくるような緊張感はそれほど強くありませんが、
物理学の三体問題が物語の重要な鍵を握っている点には斬新さを感じます。

しかし、私のような文系でも問題なく楽しめましたので、
”中国の”という枕詞も不要なように、
異星人侵略モノの王道を行く一級品の娯楽小説と思います。

一方、隠し味として文革に対する批判的な描写が見られますが、
今の中国でもこの程度なら許されるんだ、という意外感がありました。

翻訳も読みやすく、万民が楽しめるSF小説と思います。

二部ではさらに盛り上がりそうなので、続きが楽しみです。

ちなみに、主要人物の一人に、史強というワイルドな警察官がでてくるのですが、
私の頭の中では、すっかりマ・ドンソクがキャスティングされています。

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