
オリジナルタイトルも「ウリヨンファ(私たちの映画)」です。
余命宣告を受けた新人女優ダウムと、母に対する父の裏切りにより、”愛”の意味が分からなくなった映画監督ジェハが、余命いくばくもない女性を主人公にした恋愛映画を作り上げる物語です。
ともすれば暗くなりがちな題材ですが、常に前向きに明るく振る舞うダウムに、徐々に心を開いていくジェハの心の変化が丁寧に描かれていくため、物語からは穏やかな空気が感じられます。
周囲の登場人物たちも同様です。
父への復讐心ばかりに囚われていたジェハをはじめ、カネ、野心など、当初はそれぞれの思惑で映画に関わった人々ですが、ダウムの映画に賭ける一途な思いが、次第に人々の心を一つにまとめていきます。
韓流にありがちな、理不尽な仕打ちをする意地悪な人々でさえ、その心に微妙な変化が起こり、ダウムに寄り添い、ともに一つの作品を作り上げていく様には心を揺さぶられます。
丁寧さゆえに、ややじれったさを感じるかもしれませんが、皆の真情の変化を納得のいく形で描こうとすればいたしかたないことです。
単なる純愛ドラマにとどまらず、大勢の人々が協力し合い、一つの仕事を完成させていく物語でもあります。
悲しい物語でありながら、悔いの残らない時間を共有した人々によって醸し出される、穏やかで優しい余韻に浸れる良作です。
私は、Disney+の配信で鑑賞しましたが、DVDもでています。
