プレゼントフォビア

[脚注]プレゼントフォビアとは、プレゼントをもらった時に、
どんな顔をして、どんな感想を述べれば、
相手に対して感謝の気持ちが伝わるのかで悩んでしまい、
恐怖心にも似た感情に捕らわれることを言う。

と言うのはまったくのデタラメで、”プレゼントフォビア”などという言葉はありません。

モノをもらってプレッシャーを感じたことはありませんかっていう話です。

初級編としては、食品系があります。

“たべっこどうぶつ”とか”カントリーマアム”だったら全然問題ありません。
空港の売店で売ってるお菓子もウェルカムです。

ところが、国境を越えると多少事情が違います。

中国のおめでたいお菓子に、月〇っていうのがありますが、
料理に関しては、日中両国民とも味覚にそれほど差はないのに、
お菓子に関しては、どうしても埋められない溝があるようです。

毎年いただく度に挑戦するんですが、どうしても完食できません。

送り主に対し申し訳なくて、自分が食べられないんだったら、
せめて親しい人たちだけでも月〇ファンになってもらいたくて、
周囲に配ったり、親族に分けたりしてたんですが、
徐々に皆からも敬遠されるようになってきました。

何でも素直に受け入れてくれる善人の娘婿も、2回目におすそ分けした際には、
「もう少し甘さ控えめでも、ええんちゃいますかね」と暗に拒絶のサインを送ってきました。

そろそろ自家消費しなければならなくなってきましたが、
ビターなコーヒーと一緒に食べると格別との記事を見かけましたので、
次回の中秋節では試してみようと思っています。

いっそのことミスドみたいに、
ビターなゴディバ×月〇のコラボっていう企画も良いんじゃないでしょうか。

中級編としては、御利益(ごりやく)系が挙げられます。

毎年、縁起物の干支の”しゃもじ”をいただくところがあるんですが、
最初の頃こそ、12枚(”枚”で良いんでしょうか?)集めてやるぞ!ってやる気満々だったんですが、
達成してみると、家にしゃもじが12枚あったところで、
高砂部屋じゃあるまいし、使い道がありません。

じゃあ捨てるかって言うと、そう簡単に行かないのが、神様が絡んだいただきモノの厄介なところです。
目立ったご利益はなくても、捨てた途端とんでもない力を発揮されて、
天罰を下されたらどうしようって思うと、なかなか捨てられません。

大量生産されている”しゃもじ”程度だと、関わっている神様も、多分研修生程度だと思うんで、
捨てても大事には至らないのかもしれませんが、
時折、本当にご利益(りやく)だか、呪いだかわからないものが宿っていそうな、
ナントカ総本山でお祓いを受けたとかいう、鏡みたいなものをいただくことがあります。
「北向きに置いといて、出かける時に鏡をのぞくととご利益があるんですよ」
などと言われると、もうあなたは呪いに縛られたも同然です。

私にとっての上級編は、本です。

映画をコピーしたDVDっていうのもありますが、こちらはそれほど構えなくても、
「面白かったですよ」の一言で許してもらえそうです。
苦手なスプラッターホラーの場合は、捨てても胸は痛みません。

ところが本の場合は、そうもいきません。
えてしてビジネス書のことが多く、しかも仕事が絡んでくるのが常です。
「イダログさん、この本は製造業者には必読ですよ。ボクもう要りませんから差し上げますね」
などと言われると、
面と向かって、「興味がないので結構です」とは決して言えません。
「まだ地球に来てから、漢字を教わってないので」などと言って断れれば良いんですが。

「お貸しします」の場合はもっと厄介です。
一定の時間内に必ず読破し、その上、気の利いた感想を述べなくてはならないので、
借りた本が目に入るたびにプレッシャーに押しつぶされそうになり、
ギリギリまで読む気が起きません。

かつてベストセラーになったので、読んだことがある人もいるかもしれませんが、
「ザ・ゴール -企業の究極の目的とは何か」っていう600ページ近い本を、
ある先生に”貸していただいた”ことは、今でもちょっとしたトラウマになっています。

最近は小学生でも、「コロナで学校が休みになることについて如何思いますか」と聞かれると、
「友だちに会えないのは寂しいですが、感染を防ぐには、皆が我慢しなければならないと思います」
などと、まっとうな受け答えができる時代ですから、
ベテランのビジネスパーソンが「面白かったです」しか言えないようだと、
こいつ幼稚園児か、と思われて二度と相手にしてもらえないんじゃないかって不安になります。

何故、こんな話をするかと言うと、
最近、効能・効き目系のいただきものがあったからです。

身に着けてみて、数か月後に感想を述べなければならないんですが、
体のつくりが雑なためか、微妙な感覚の違いが識別できず、
効いてるのか、効いていないのか、まったくわかりません。

こんなヤツにやらなきゃよかった、と思われないよう、
毎日、一生懸命身に着けているんですが、”効き目”って、努力したら現れるものでしょうか?

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