揺れましても飛行には影響ありません

普通の人が国内で利用する航空会社は、大きくJ〇LとA〇Aに二分されますが、
妻は、A社の座席のヘッドレスト部分の出っ張りが気に食わない、
というだけのマニアックな理由でJ社のファンです。

私は、J社が経営破綻する前までは、A社のファンでした。
ヘッドレストと同じくらい些細な理由なんですが、
機体が揺れた時の、小心者への心遣いがA社とJ社では異なっていたためです。

ネットで調べてみても、自分の記憶が正しいのか否か確認できていないんですが、
経営破綻前のJ社は、機体が揺れても、
「シートベルトをしっかりお締め下さい」しか言いませんでした。

一方のA社は、J社と同じアナウンスの後に「揺れましても飛行には影響ございません」
と言い添えていました(違ってたらゴメンさない)

この一言があったため、ずっとA社を利用していたんですが、
経営破綻後(か如何かは怪しいのですが…)、J社も「揺れましても-」を添えるようになりました。
苦労して、人の心の痛みがわかるようになったらなんじゃないか、っていうのが私の説です。

虫歯の治療でも、「痛かったら言ってくださいね」って頻繁に言われると、
(この先生、優しいかも)って思っただけで、痛くないような気がしてしまいますよね。
それと同じことでしょうか?

飛行機も頻繁に利用している時は、多少揺れても、
「このくらい、揺れてるうちに入らんよ」とか余裕たっぷりの顔で、
文庫本なんか開いていられるんですが、
コロナで出張の間隔が開いてしまい、たまに乗ると、ちょっと揺れただけでも不安になります。

特に、離陸と着陸の時って、何故、赤ん坊の泣き声が機内に響くんでしょうか。
赤ん坊には特殊な能力があって、何か不吉なことを暗示してるんじゃないかって、
勝手に妄想してしまうのが、小心者の想像力豊かなところです。

飛行機に乗ると、ほぼ例外なく、降りてから頭痛に見舞われるんですが、
気圧の変化以外にも、揺れる度にビビっていることも、
脳の血管の伸縮に影響してるんじゃないかって、信じています。

揺れてる時って、外で何が起きているか気になるため、
本当は窓際の席に座って、怪物がエンジンをかじっていないか、常に監視していたいんですが、
トイレの心配があって、通路側を選ぶことにしています。

トイレをとるか、機長に代わって安全をチェックする役目を担当するか、
で迷いますが、結局、トイレの安全を選択してしまいます。

海外、とりわけアメリカの国内線では、何故か中央席に座らされることが多く、
翼の無事もチェックできず、気軽にトイレにも行けず、緊張感は普段の10倍ぐらいに跳ね上がります。
アメリカ人は、男も女も燃費の悪そうな体つきの人が多いため、圧迫感も半端じゃありません。
トイレに立つ際の、sorryの一言にも緊張しまくりです。

アメリカ人って、何故あんなにビールをがぶ飲みしてもトイレに行かないんでしょうか。
明らかに日本人とは体のつくりが違っているようです。

海外での機内サービスもちょっと緊張します。
先ず、waterが通じないことがあります。
人間が生きていく上で、空気の次に重要な”水”の発音が通じないと大問題なんですが、
「”ウォーター”じゃなくて、”ウォーラー”なんだよ」とかYouTubeで解説されていても、
昭和生まれにとっては、この”ウォーラー”って発音が、わざとらしく、こっぱずかしいんですよ。

国内線では、一応言葉は通じるはずなんですが、
元来、声が通らず、滑舌も悪い上に、エンジン音に負けてしまうため、
CAさんに迷惑をかけないよう、
メニュー表を見せられると、安易に一番左上の飲み物を指差してしまいます。

最近のJ社の福岡羽田便のメニュー表の左上は、”ももとぶどう”のジュースです。
必ず「もものアレルギーはありませんか」って聞かれるので、
(もものアレルギーがある人が、もものジュースを頼むか?)って怪訝に思っていたんですが、
私みたいに、安易に指差すだけの人がいるから、わざわざ確認しているんでしょうね。

さて、今回の出張も、無事生きて帰ってくることができましたが、
安全に着陸すると、心の中で、
(神様ありがとう!明日からは、心を入れ替えてちゃんとやります)って誓うんですが、
到着ロビーに出た頃にはすっかり感謝の念を忘れて、
(今日は「進撃の巨人」の新しいエピソードが更新されてたっけ)とか考えています。

飛行機に乗るたびに、生と死を見つめ直す機会をいただいていますが、
もしかしたら、飛行機の神様って、パイロットさんですかね?

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