若い世代の洋楽ファンにとって、ディランはどんな存在なんでしょうか。
私は、1970年代、ディランがデビューした10年後から彼の音楽にのめり込み、1980年代、宗教色が強くなった頃にファンを卒業しました。
10年程度のファン経験は、60年に及ぶディランのキャリアの1/6に過ぎませんので、偉そうなことは言えないのですが、本作の感想を端的に表現すると、”ワクワクするような楽しいアルバム”と言うことになります。
ノーベル賞受賞者のボブ・ディランという重々しい印象を、頭の中から軽く吹き飛ばしてしまうように、まるで、20代のBob Dylanという新人シンガーソングライターが目の前に現れ、私自身をも20代に引き戻してくれるような、不思議な感覚を呼び覚ましてくれる、瑞々しいアルバムです。