「センス8」は、多様性の映画であるとともに、音楽の映画でもありました。
重要なシーンでは、必ず印象に残る楽曲が流れていましたが、
個人的にお気に入りの3曲を選んでみました。
1曲目は、本作のテーマソングとも言える、4ノン・ブロンズの「What’s up」です。
中心人物だったリンダ・ペリーが、すぐソロに活動に入ってしまったため、
バンドとしては短命に終わりましたが、
「What’s up」は、バンドの代表曲であるとともに、ロックの名曲でもあります。
リンダ・ペリーは、ソロになってからも堅実な仕事をしていますが、
むしろ、ソングライターとしての存在感の方が強く、
他の著名シンガーに数々の名曲を提供しています。
ちなみにリンダ・ペリーは、2014年に同性婚をしていますので、
「センス8」のテーマを象徴しているミュージシャンとも言えます。
次に、個人的に印象深かった曲が、「Hallelujah」です。
シーズン2のエピソード1、
幾多の苦難に見舞われた8人が、新年を迎え束の間の祝福を味わう、
胸を打つシーンで流れていた楽曲です。
ドラマで使われていたのは、ダニエル何とかっていう知らない人のバージョンですが、
オリジナルはカナダのレナード・コーエンです。
しかし、「Hallelujah」と言えば、ジェフ・バックリーです。
哀しい生い立ちと早逝により、ロックの伝説に仲間入りした人です。
歌詞は宗教的で難解なんですが、
バックリーの哀しく優しい歌声を通して聴くと、不思議な安らぎを覚えます。
日本でカラオケを白けさせる定番曲はマイウェイですが、
欧米だと「Hallelujah」なんだっていう話を聞いたことがあります。
日本人のハゲおやじが歌うマイウェイとはニュアンスが違うのかもしれませんが、
それだけポピュラーな曲っていうことなんでしょう。
最後は、Clean Banditの「Rather Be」です。
説明不要な、ラブソングです。
ドラマのワンシーンと言うより、
スタッフやキャストが大騒ぎして楽しんでいる(良い意味で)ようにしか見えない
ラストシーンで使われていた曲です。
好きなバンドなんですが、寡作で、新譜が待たれます。