秘密のご馳走

梅干しの種を割ると、中からプリプリした白い実が入っているのをご存じでしょうか。
こどもの頃、ここが一番美味しんだっていうトリビアを聞きつけ、金槌で割って食べてみたんですが、
なんか苦くて、わけのわかんない味しかせず、がっかりした思い出があります。
結局この手の話って、伝説が独り歩きするんですね。

種の中身は天神様って呼ばれていて、ガンの予防効果をはじめとした色んなん効能があるらしんですが、
一方で加工されていない梅だと、天神様には毒素も含まれているらしく、
結局敵なのか味方なのか、うかつに口に入れられないしろもののようです。

さて、ここから強引に「秘密のご馳走」にもっていきます。

こどもの頃からインスタントラーメンが好きです。
体の中には、既に数十年分の毒素が蓄積されてるんじゃないかと思っていますが、
未だに好きです。

もちろん食品衛生法上は毒なんか入ってるはずないんですが、
我が家では「体に悪そうな食べ物ほど美味しいよね!」が合言葉になっています。

一蘭とか一風堂なんかより、インスタントラーメンの方が美味しく思える時もありますから、
味覚が貧相なんでしょうね。

ところで、インスタントラーメンを食べ終わったあと、
残ったスープ(ここに一番毒が溜まってそうですよね)を流しに零すと思うんですが、
箸で掬えず、最後まで残った細かく千切れた麺とか、何だかよくわからないゴミみたいなのが、
どんぶりの底に溜まってるじゃないですか。
(まさか、インスタントラーメンのスープを全部飲み干したりしてませんよね。
美味しいのはわかりますが、たぶん早死にしますよ)

そんな残りカスを最後の〆として、口に流し込んで味わうのが、
インスタントラーメンの一番の楽しみなんじゃないかと思っています。
変態か?って思った人もいると思いますが、意外と頷いている人も多いんじゃないでしょうか。

カステラって、本体よりも底辺部分のザラメが混じった、
何だかよくわからない焦げた皮みたいな箇所が一番美味しかったりします。

その部分は、和紙みたいなので保護されてますが、
剥がし方を誤って、和紙の方にザラメが貼り付いたりすると、
カステラ全部がダメになってしまったみたいで無性に腹が立ちますよね。

中には底辺部にザラメが混じってないカステラもありますが、
そんなものはカステラとして認められません。

マックなんかのポテトの中には、時折、やせ細って干からびたような、
ゴボウかなって思うようなのが混じっていることがありませんか。

我が家ではこれを発見すると、誰の取り分にするかをじゃんけんで決めたりするんですが、
これが実は味が沁み込んでいて香ばしく、一番美味しかったりするんですよ。

つまり、本体とはちょっと違うところに意外と美味しさが隠されていたりするんですが、
そんな、皆から見向きもされないようなところに隠された秘密のご馳走に気がついて、
自分だけでそっと味わう瞬間って、心が豊かになった気がします。

ウソです。その程度では心は豊かになりません。

でもまあ、何となく得した気になりそうかなってことで、
どうにかして、感動的なオチに持っていきたかったんですが、
結局小ネタを並べただけで終わってしまいました。

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