接待。したり、されたり

L字型のカウンターのはす向かいに、明らかに接待と思しき3人組が並んでいます。
両脇はスーツ姿の接待する側、真ん中のカジュアルな服装の老紳士は接待される側です。
何故か、ほとんど会話が聞こえてこないものですから、かえって気になります。

こういう場面に遭遇すると、すぐにプロファイリングしてみたくなってしまうんですが、
多分、老紳士はお医者さん、両側のスーツは医薬品の納入業者と推理しました。

私は今回接待を受けている側なんですが、はす向かいの3人が気になり、
こんな盛り上がらない接待の、どこが面白いんだろうなどと、
接待を受けながらも、気になって仕方がありませんでした。

会話がない宴席は、余計聞き耳を立てたくなります。

下積みが長かったので、接待される立場は、あまり居心地がよくありません。
接待してくれる人を楽しませないと、お前なんかを接待して損した!とか怒られるんじゃないかって、
ビビってしまい、ついつい接待する側を立てて聞き役に回ってしまいます。

もうこうなると、接待してるのか、されてるのか、自分でもよくわからなくなりますね。

ビジネスマナーによると、
宴席の後は、その日の内にお礼のメールを入れなさい、って書いてありますから、
ぼーっとした頭で文章を考えてメールするのって、結構大仕事です。

たまに、先方に先を越され、メールが届いたりすると、負けたような気になりますが、
これが複数での接待になると、参加者全員でメールを飛ばしあって収拾がつかなくなります。

夜中にメールを飛ばし合うなんて、お互い迷惑に決まってるんですから、
やめれば良いのに、って思いますが、ビジネスマナーに書いてあると、中々やめられないんですよ。
夜のメールはビジネスマナーに反するからやめましょう、って誰か書いてくれたら、すぐなくなるのにね。

還暦を過ぎ、少しはオトナらしく振る舞わなきゃ、と何度か手書きのお礼状にも挑戦しました。

形から入る方なので、先ずは、Amazonでレビューの高い、
「きれいな手紙が書ける便箋」と「きれいな宛名が書ける封筒」を購入しました。
緊張し過ぎて、何度も同じ個所で書き損じたあげく、便箋一枚に1時間を要してしまいましたが、

「きれいな手紙が書ける便箋」を使っても、きれいな手紙は書けません。
「きれいな宛名が書ける封筒」を使っても、きれいな宛名は書けません。以上。

“見た目はジイサン、頭脳はコドモ”なので、未だにこどもみたいな字しか書けものですから、
ようやく書き上げて見直して見ると、これはかえって失礼にあたるんじゃないかっていうぐらいの、
幼稚な文字に愕然とし、二回ぐらい挑戦して、あっさりあきらめました。

やっぱりワープロが一番です。
署名だけでも手書きしてますが、署名の部分だけがやっぱりこどもの字なんですよね。

ところで、接待の最中、やたらと会話に入ってくる”大将”には、
如何対応するのが正式なビジネスマナーなんでしょうか。
どこにも書いてありません。

百歩譲って、”大将”は流石にプロなので、つっこんでくるタイミングを心得ていますが、
見ず知らずの常連客が容赦なく割り込んてきた時は、どう対応するのがビジネスマナーなんでしょうかね。

ホスト役のお取引先と2人で会話していたはずが、いつの間にか3人で飲みにきた状態になってしまい、
日本の将来について議論する羽目になっていました。

自ずと口数の少ない私は、お取引先と常連客に挟まれ、
お二人の言うことはよくわかるよ、みたいにニコニコしながら頷いているだけです。

はす向かいの3人組からは、相変わらず会話らしい会話が聞こえてきません。

私の目の前を飛び交っていた、お取引先と常連客との会話が一瞬途切れたと思ったら、
すかさず正面の大将が「これ、さっきオレンジページを見て、イダログさんのために作ってみました!」

って、高級割烹の大将が、レシピ本かよ・・・。

カオスです・・・。

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