最近、家に入り浸っている”小さな生き物”がディズニー中毒のため、
本作がBGMのように流れています。
少し前までプーさん”推し”だったんですが、
少しだけ大人になって、ストーリー性のあるものに興味を持ち始めました。
一つ厄介なのが、途中で再生を止めると、
再開する時、また最初から始めないと許してくれない点です。
ラストシーンにたどり着くまで、同じシーンを10回ぐらい見る破目になります。
幼児の頭の中は、ビデオテープみたいになってるんでしょか。
本作は、2016年の公開後すぐDVDか何かで見てるんですが、
前回は、本作の素晴らしさに気がつかなかったようです。
2016年の春の公開ですが、その年の11月にトランプ氏が当選しています。
米国の分断や世界の混乱、その後のコロナ禍を目の当たりにしたからこそ、
本作の素晴らしが身に染みてわかったのかもしれません。
肉食動物と草食動物が共存する理想社会を舞台に、
彼らを分断しようとする陰謀に立ち向かうウサギの警察官と、
相棒のキツネの話です。
まるでトランプ氏当選後のアメリカ社会を予言し、
そんな状況に如何対峙すべきかを暗示しているような作品です。
この世界は、誰もが偏見を持ち得る可能性を持っています。
本作の主人公でさえ例外ではありません。
油断すると、世界はすぐに対立し分断される危険性を孕んでいることを、
子供たちにもわかるように、面白く、易しく描いています。
多様性の社会で、皆がお互いを尊重し合うことは大事ですが、
それが簡単には実現できないことも思い知らせてくれます。
それでも、少しずつでも良いから世界を変えていきましょう、
という誠実なメッセージが伝わってきます。
「PIXAR」や「ディズニーCEOが実践する10の原則」で頻繁に登場する、
ピクサー出身のジョン・ラセターが製作総指揮ですが、
まさに、ディズニーがピクサー買収したことによる相乗効果が
最高の形で現れた傑作だと思います。