小さな幸せ

最近、なんか楽しいことがあったな、と漠然とした幸福感を心の片隅に感じながら、何があったのかが思い出せませんでした。
思い当たる節をたどってみると、全然大したことじゃなくて、愛車のフロントガラスに装着するサンシェードを買ったっていうだけの、ちんけな出来事にたどり着きました。

最近まで、どの車に使っていたのかよく覚えていないような、古いサンシェード(表も裏もただの銀色のヤツです)を、愛車のフロントガラスに合うように折りたたんで使っていましたので、みすぼらしいのは自覚していました。
妻からも、いい加減でぴったり合う純正品を買ったらどう、と促されながら、折りたためば使えるから大丈夫!と、昭和生まれの頑固さを貫いて我慢していたものの、たかがサンシェードなのに、サイズが不釣り合いのものを使い続けているだけで、無意識のうちにストレスが溜まっていたようです(ちょっと大袈裟です)

と言うわけで、ケチなイダログなので、もちろん純正ではないんですが、ぴったり合うのを取り付けてみると、胸のつかえがとれたようで、自然とテンションが上がってくるから不思議です。
あまりにも些細な変化なので、すぐにその時の幸福感を忘れてしまい、あれ?なんで楽しかったんだっけ?ってなってしまうようなちっぽけな幸せを経験したことってありませんか。

一日だけ幸せでいたければ、床屋へ行け
一週間だけ幸せでいたければ、車を買え
一ヶ月だけ幸せでいたければ、結婚しろ
一年だけ幸せでいたければ、家を買え
一生幸せでいたければ、正直に生きろ

って、教訓だか格言だかわからない言葉がありますよね。
時々、居酒屋の便所の壁なんかに貼ってあったりすると、ありがたみも台無しです。

私は昔、トミーズのネタで知って、いたく感動した覚えがあります。
トミーズの雅さんは、最後のところを「一生幸せでいたければ、この印鑑を買いなさい」と”落として”いました。

もともとは、イギリスのことわざ、

Let him that would be happy for a day, go to the barber;
for a week, marry a wife;
for a month, buy him a new horse;
for a year, build him a new house;
for all his lifetime, be an honest man.

のアレンジらしいんですが、どこの国にも同じような言い回しがあるようです。
イギリス人って、結婚するより馬を買う方が幸福感が長続きするみたいですね。

このところ、あまりにも幸せから遠ざかっているので、ちっぽけな幸せにも過剰に反応してしまうってことが言いたかったんですが、ほんの一瞬で消えてしまうような幸せでも、たくさん寄せ集めると、一週間分ぐらいにはなるんじゃないかな、ってことで、他にも思い出しました。

普段、仕事でもスニーカーを履いていることが多いイダログなんですが、以前から気になっていたのが、ゴムの部分に付着した汚れです。
せっせと消しゴムでこすっておとしていたものの、どうしても薄っすらと汚れが残ってしまいます。
なんか良い方法がないかなって、ずっと気になっていたんですが、見つけました。
メラミンスポンジを使うんですって。
えっ!メラニア夫人?ファーストレディなわけねえだろ!(っていう、サンドの富澤さんと伊達さんのような掛け合いをやってみたいんですが、なかなかそんな場面に出くわさないので、ここで使わせていただきます)
簡単に落ちるんです。びっくりするほど白くなります。
この時も無性に嬉しくなって、下駄箱に並んだスニーカーを磨いては、一人ニヤニヤしながら、3日間ぐらい幸福感に包まれました。

画像引用:Amazon

またある時は、ケーブル結束バンドを買った時のこと。
それまでは、パソコンのACケーブルや、スマホの充電ケーブルなんかを結束する時は、ケーブル自体を無造作に結んだり、「ビニールの中に針金が入っていて、コードなんかを束ねるヤツ」で結束していたんですが、ちゃんとした結束バンドを買って使ってみたところ、当たり前なんですが、便利すぎます!
周囲にあるケーブル類を手当たり次第に束ねては、結束バンドでくるくるっと巻いていたら、それだけで3時間は幸福感に包まれました。

ちなみに「ビニールの中に針金が入っていて、コードなんかを束ねるヤツ」の正体をネットで検索してみたんですが、ビニタイ、ねじりっこ、ねじらー、などと呼ばれていて、どうやら正式な名前を持っていないようです。
いたるところで皆の役にたっているわりに、地味な存在なので、ちゃんとした名前もつけてもらえない「ビニールの中に針金が入っていて、コードなんかを束ねるヤツ」が不憫でなりません。

しばらくは、小さな幸せを寄せ集めて生きていこうかなと思っているイダログです。

さて、小林製薬の糸ようじが生産中止になると聞いて、婿君は、早速買占めに走りました。
米の買占めは最近話題になりましたが、糸ようじを買占める人は初めて見ました。
家族全員の使用頻度から計算した結果、3か月分を確保し意気揚々と帰ってきましたが、隕石が地球に衝突するのに備えて緊急物資を確保したかのようなドヤ顔です。
きっと、3か月間は幸福感を味わえると思いますが、在庫を使い果たした後の絶望感が心配です。

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