トイレ事情(後編)

慌ただしい年の瀬に恐縮ですが、トイレの話を続けます。

アジアへの出張では、交通の便が悪い地域の車での移動も長時間にわたります。

ある時、米国生活が長く、日本語より英語の方が達者な同僚とイスラム圏に出張したことがあったのですが、米国文化の沁みついた同僚には、”念のためトイレに行っておこう”などと言う、みみっちい考えは微塵もありません。

3,4時間の道中、同行の現地人から勧められるままにスタバのコーヒーをがぶ飲みしていましたので、さすがは米国暮らしが長いだけのことはある、と感心していたのですが、行きたくなってから行けば良い、のアメリカンスピリットらしく、突然我慢の限界に達したかと思ったら、ハイウェイの路肩に車を止めさせて用を足す始末です。

イスラム教国で立ちシ〇ンなんか見つかったら死刑になるんじゃないか、ってハラハラしましたが、敬虔なイスラム教徒の現地スタッフも「Old man!(ジジイかよ)」とか言いながらゲラゲラ笑っていましたので、そこは意外と寛容なんです。

諸外国の人は、日本人の膀胱が小さいことなどお構いなしに、水分補給の気配りに余念がなので要注意です。

ところで、男子に聞きますが、男性用便器が3つ並んでいたら、どれを使いますか?
普通は、真ん中を避けて両端の便器を使いますよね。

ところが時折、両端のどちらかでいたしていると、もう一方の端が空いていても、何故か真ん中、要するに横に並んでいたす人が少なからずいます。

私の長年の研究によると、彼らトナラーの90%は、技術系の人です(ほぼ、デタラメです)。
彼らは、常に稼働率の平準化を重視するため、真ん中の便器の稼働率が低下することが許せないんですね。
決して変態ではないので、暖かい目で見守って上げましょう。

新幹線の男子専用トイレって、前を通る時、嫌でもいたしている男子の後頭部が目に入ってしまうと思うんですが、女子はあれをセクハラとは思わないんでしょうか。
我々男子も、何となく見られている感じがして落ち着かないんですが。

居酒屋のトイレは、宴たけなわの時刻になるほど混み合ってきます。
もよおしてきて、さあトイレと思って向かったら使用中だったりすると、不思議なもので、席に戻ってリベンジしても、また使用中のことが多々あり、次第に切羽詰まってきます。

偉い人とサシで飲んでいてそんな状況になると、徐々に我慢の限界に達してきて、興奮気味に喋っている相手の話など一切頭に入ってこなくなります。
一瞬でも話が途切れると、待ってましたとばかりに「ちょっと失礼します」といかにも不自然に席を立ったことが何度かあります。

「いやぁー、〇〇さんのお話は、目からうろこが落ちましたよ」とか気の利いた返しをする余裕は残されていません。
マズローの5段階の最下層の欲求が満たされていな以上、そこから上の階段には登れません。
ホッと一息ついて席に戻っても、ところで、何の話でしたっけ?になるんですよね。

さて、今年の年末は久しぶりに旅行に行きます。
膀胱が成長しないのはわかってはいても、フライトの前には、念のためトイレに行っておこうと思うイダログです。
欧米人より体の小さな日本人が、膀胱ばかり大きく成長させたって仕方ないですもんね。

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