世界は経営でできている / 岩尾俊兵

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ネットでの評判に惹かれ読んでみました。
タグには「ビジネス」を付しましたが、決して堅苦しいビジネス書ではありません。

目次を見ると「〇〇は経営でできている」で各章が統一されています。
例えば「恋愛は経営でできている」「健康は経営でできている」と言った具合です。
この世の全ての事象は経営感覚を発揮することで対処できる、逆に言えば、誤った経営感覚で対処すると何をやってもうまくいかない、ということが述べられています。

強調されているポイントは、ビジネス書でも頻繁に目にしますが、目的と手段を取り違えてはいけない、部分最適に拘って全体最適を見落としてはいけない、等です。

例えば「勉強は経営でできている」の章では、参考書に付箋を貼りすぎたり、どこもかしこもマーカーで塗りつぶしたりしている内に、ページの全てが付箋やマーカーで埋め尽くされてしまうような状況では、むしろどこが大事なポイントかがわからなくなる(マーキングするという手段が、大事な箇所を頭に入れるという目的と入れ替わってしまっている)といった次第です。

このような事例は、実際の経営でも常に気を付けなければならない落とし穴です。

皮肉な言い方をすると、経営感覚で物事に対処しようとしても、そもそもまともに経営感覚を身に着けているビジネスパーソンが一握りなので、結局のところ「経営は経営でできている」がわかっていないと難しいのかもしれません。

本書によって、日常生活での経営感覚を理解することができれば、一周回って本来の経営の場での経営感覚を再認識することもできそうです。

と、ここまで説明すると、堅苦しい内容と勘違いされそうですが、実際は堅苦しさとは真逆なのが本書の魅力です。
自虐的なギャグが散りばめられた、ユーモアたっぷりの文章でつづられているので、経営などという小難しいことは意識せず、笑えるエッセイとして読んでも十分楽しめる良書です。

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