こちらも、ファイナルです。
デンゼル・ワシントンは、キアヌ・リーヴスよりも10歳ほど年長ですが、ジョン・ウィックと違い、過激な立ち回りを強いられない分、無駄のない、シャープな動きが健在です。
一作目から描かれてきた、マッコールのキャラクターを特徴づけている強迫性障害は本作にも引き継がれています。
また、彼が持つ、ある種の異常性についても、さらに磨きがかかっています。
悪党に対しては、なにもそこまでやらなくても、と思わせるほどの陰惨な仕打ちを、しかも冷静にやり遂げる様は、むしろ殺人鬼を思わせるほどですが、そこがまたマッコールを無敵のダークヒーローたらしめている所以です。
本作は、イタリアに舞台を移し、流れ者のようなマッコールが、親切にしてくれた街の人々をマフィアから守るという、マカロニウエスタンのようなカッコ良さです。
老境に入ったデンゼル・ワシントンですが、老いを感じさせないスタイリッシュなアクションで魅せてくれます。
ジョン・ウィックとともに、また一人魅力的なヒーローが消えてくのは寂しい限りです。