前回(「フジドリームエアラインズ」)の続きみたいなネタでスミマセン。
全国で一斉に雪の便りが聞かれた日、新潟からの帰りのフライトが、無事乗り継ぎ地の伊丹空港に到着。
ほっと胸を撫でおろしたのもつかの間、伊丹から福岡へ向かうJALの機材が山形から飛んでくるはずのところ、山形空港が雪のため到着時刻が不明とのアナウンスが入りました。
伊丹からの最終便を予約していたものですから、先ず、山形からの機材が伊丹の門限に間に合わない虞があり、かつ、仮に伊丹を飛び立てたとしても、到着地福岡の門限に間に合わない虞もあるとのことで、二重のトラップですよ、って感心している場合じゃありません。
他の交通機関への振り替えも相談に乗るとのアナウンスだったため、キャンセルして伊丹で一泊する選択、航空機から新幹線に振り替える選択等いくつかのパターンを想定し、JALさんとどう交渉したらよいか頭の中でシミュレーションしてから搭乗口のグランドスタッフ(以下、GS)さんの許へ。
GSさんは、私の顔を見るなり「JAL〇〇便をご利用ですか?」との問いに「はい」と元気よく答えると、交渉するまでもなく「同時刻のANAの便に、お一人様分だけ席空がありますのでご予約いたします」とのありがたいご提案。
JALからANAを予約してもらえるなどという裏技があるとは思いもしませんでした。非常時には、お互いに助け合うんですね。
こういう時って「明日、大事な会議があるのにどうしてくれるんだ!」とか、怒り狂った乗客が騒いでる光景を想像してたんですが、閑散としていて拍子抜けしました。
何度もアナウンスされていたにも関わらず、まだ搭乗口に詰め駆ける人はいません。
やった!ラッキー、とか思いながら、GSさんがよくわからない専門用語でANAの座席を確保してくれているのをボーっと眺めていたところ、ようやく後ろのから「え〜、欠航かも知れないってよ、どうする」などと困惑しているカップルの声が聞こえてきました。
こういう状況って、心の中でガッツポーズをしている反面、自分だけ助かって良かったのかな、などと罪悪感を感じてしまいます。
一方で、そう思いながらも(絶対オレのそばに寄って来るんじゃねえ!)と背中から念力を発動し、カップルを追い払おうとしちゃうんですよね。
せっかくGSさんと話がついたのに、彼らがやってきて、自分一人だけ救済されたのがバレたら気まずいじゃないですか。
そもそも、一席しか空いてないのですから、カップルは運命をともにしなきゃなダメでしょ。
話が逸れますが、数カ月前新幹線を利用した時のこと。
局地的なゲリラ豪雨に見舞われ、広島駅に到着予定の博多行新幹線に遅れが生じました。
「博多行のぞみ〇〇号は、先ほどの豪雨により、一つ前の福山で車両点検をいたしております。当駅への到着は約10分遅れる模様です」との放送が流れます。
(日本人は定時運行に拘り過ぎなんだよ。海外の鉄道なんか時間通り発着するのが稀なんだから、もっとおおらかにならなきゃ)などとワイドショーのコメンテーターみたいなセリフを頭に浮かべ鷹揚に構えていられたのも最初だけ。
10分経過後再び同様の放送が。
そしてまた10分経過後同様の放送が、といった具合に、デジタル音声と思しき無機質な女性の声で同じ内容が繰り返されること、3時間!
これって、”蕎麦屋の出前”の超拡大版じゃありませんか。
最初から3時間遅れると明言してくれれば、こちらも諦めてもう一泊、夕飯は広島風お好み焼きで孤独のグルメを、などどと割り切れるんですが、10分置きの構内放送で利用者を釘付けにするのはどういう魂胆でしょうか。
ちなみに、広島のお好み焼をどう表現すべきか迷いました。広島風?広島流?広島焼?どの呼び名も広島の人は納得していないんですって。
さて、首尾よくANAの予約がとれ、JALのチケットを発券してもらいました(JALのチケットを持って、いったん到着口から出て、ANAのチェックインカウンターでANAのチケットに交換できるんですって💛)
ANAの便は定刻より若干遅れましたが無事福岡空港に到着。
先ずは、自分だけが助かった罪悪感に、気持ちの整理をつけなければなりません。
JALのアプリを開き、同じ便に乗るはずだった仲間たちの悲惨な結末を確認です。
えっ?当初予定していたJALの便は、定刻より20分遅れただけで、ANAとほぼ同じ時刻に無事福岡空港に到着だって・・・。
一人だけ助かっと思って罪悪感と優越感の狭間で苦しんでいたのですが、結局自分一人だけが人知れず真冬の大冒険で駆けずりまわっていただけでしたとさ。
GSさんA「さっきANAの便に振り替えてあげた人、めっちゃ感謝してたけど、意味なかったよね」
GSさんB「そうそう、何をやっても裏目にでる人っているのよね」って絶対笑われてますよね。
