マイブーム

3歳の孫の目下のマイブームは、”げすい”です。
そう、”下水”です。

勝手にYouTubeを開いて(ロゴマークで覚えているようです)、下水の動画に見入っていますが、キッチンなんかで使用した水が、どのようなプロセスで処理されるのかに興味津々らしく、油を流しに捨てるなとか、洗剤が海を汚すとか大人たちに意見してくるので、グレタさん並みに環境への意識は高まっているようです。

子どもの頃から好きなことに一途打ち込んでいたら、ムツゴロウ先生や、さかなクンのようになれるかもしれない、って思うのはその子の家族だけですが、”げすいクン”だと地味過ぎて需要がなさそうなので、もう少し華があることに目を向けてくれればとも思っています。

一方で、そんな心配をよそに、3歳児のマイブームは移り気です。
動物は何故虫歯にならないのか?を調べはじめたり、-ちなみに、どこかの動物園のシマウマが虫歯になったというエピソードを見つけて盛り上がっていました-水の中に潜って手を叩くと何故音が聞こえないのか?が気になりだしたり。

よしよし、”げすいクン”よりは、良い方向に向かっているぞ、とか期待を抱かせたと思ったら、女の人は何故ブラジャーをするのか?をYouTubeで調べてみようと言い出した時には、さすがに違う方向に興味が芽生えても困るので、はぐらかすのに大変でした。

130歳まで生きて、孫がノーベル賞を受賞した時、「では、オジイサンからも喜びの声をお願いします」って言われたら、「うちの孫は、プールに潜っている時、物理学に目覚めたんじゃ」って答えるのが今から楽しみです。

じゃあ、自分のマイブームは何かなと思ったんですが、マイブームと趣味の違いがよくわかりませんね。

マイブームという言葉は”みうらじゅんさん”が言い始めたそうですが、単に今夢中になっているコトやモノ以上に、「そんなモノ集めて何が面白いの?」的なニュアンスも感じられます。
マイブームが長期化すると趣味に変わるんでしょうか。

私は、何かに興味を持つと、先ず周辺情報の調査からはじめます。
例えば、天体望遠鏡に興味を持つと、種類(反射式か屈折式か)とかメーカーとか、スペックを徹底的に調べ上げ、観察する場所やそんな自分の姿を想像し(手にはスノーピークのマグカップ、傍らにはガスバーナーとパーコレーター。なんてカッコいいんでしょう!)、それだけでテンションが最高潮に達します。

ところがそこまで行くと、既に頭の中では完結してしまっていますから、実際に天体望遠鏡を手にした時には熱が冷め始めていて、いざ冬の星座を観測しようとしたら、あら不思議、「寒っ!この趣味やめよーかな」ってなってしまって、2、3回で飽きてしまうから始末に負えません。
そんなことを何度も繰り返すと、自分で自分が信じられなくなってきて、「こんな飽きっぽいボクの心を捉えて離さないマイブームがあるんなら、どっからでもかかってきない」的な気持ちになってしまいます。

そんな飽きっぽい性格に打ち勝ったのが、ブログのネタにしている、映画、音楽、本だって言うんですから、平凡過ぎて履歴書にも書けやしません。

さて、下水マニアの孫ですが、先日ショッピングモールのトイレで”大”をして、娘に始末をしてもらっていたところ、娘のイヤリングが外れ、便器の中に落下してしまいました。
落胆する娘を前に、孫の口をついてでた励ましの言葉は、「ママ、流した水は海にたどり着くから、海で探せば大丈夫だよ!」でした。

下水の仕組みはちゃんと理解できているようですが、現実の問題を解決するには、もう少し経験が必要なようです。
ここで画期的な回収方法を思いつける子が、正真正銘の”げすいクン”になれるのかもしれません。

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