爆弾+法廷占拠(爆弾2) / 呉勝浩

画像引用:Amazon

先ごろ映画が公開されましたが、原作の方を紹介します。
爆弾の続編が法廷占拠になります。

得体の知れない不気味な爆弾魔スズキタゴサク(映画では佐藤二朗さん)と警視庁特殊犯係の類家(同じく山田裕貴さん)の心理戦頭脳戦を中心としたスリラーです。
取調室でスズキタゴサクから出された謎解きを類家が解き明かしながら、都内各所に仕掛けられた爆弾の在り処や事件の背景を明らかにしていきます。

何時何処で爆発が起こるかわからない緊迫した状況に加え、スズキタゴサクの特異なキャラクターが読者の心に忌々しく纏わりついてきます。
作中では”無邪気”とも表現されていますが、人の死をゲームのように無邪気に弄ぶキャラクターには苛立ちさえ覚えます。
そんな人物像を作り出したのもまた作者の狙いなのかもしれません。

スズキタゴサクの無邪気さに隠された闇が、徐々に周囲を引き込み、正常な判断を狂わせていきますが、一方の類家もスズキタゴサクと紙一重の異端者として描かれています。
そんな、善と悪の立場に立つ、異能の二人のぶつかり合いが本作の魅力です。

続編は、同じく二人を中心としながら、法廷を占拠したあらたな異常者が加わり、三つ巴の心理戦頭脳戦が繰り広げられます。
サイコなキャラクターたちによる粘っこい展開なので、爽快感は得られないかもしれませんが、異端者たちが繰り広げる戦いは、さながら最強王バトルのような迫力です。

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