流浪の月

画像引用:Amazon

ベストセラー小説の映画化ですが、原作の魅力を損ねることなく、素晴らしい作品でした。
(小説の方を記事にした際、映画は見ない、と言い切ってたんですが、広瀬すずさんの魅力に負けました)

家庭内で性的虐待を受け、行き場を失った少女を匿ったことにより、性的犯罪者の烙印をおされた青年が、数年後に成長した少女と再会し、絆を深める物語です。
青年を松坂桃李さんが、成長した少女を広瀬すずさんが演じていますが、どちらも若手の実力派らしく、真に迫った名演を魅せてくれます。

原作では青年の性癖について明確な描写はありませんが、映画の方では、身体的な障害により大人の女性と交わることができないという設定になっています。
青年も少女も、ずっと行き場がないまま生きてきた挙句、社会から冷たい視線を浴びながらも、異端として支え合う生き方を選択します。
以前記事にした「正欲」同様、異端を生きる人々の苦しさが胸に迫ります。

原作を改変することなく物語は展開していきますが、ラストは同じような展開ながらも、トーンの違いが感じられます。
甲乙つける必要はありませんが、原作を読んだことのある人は、目線の違いのようなものを感じると思います。

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