朝食ビュッフェの達人(…になりたい)

ホテルの朝食ビュッフェに苦手意識があります。
ちなみに、厳密にはビュッフェとバイキングは違うそうですが、オシャレな響きがするビュッフェでお話を進めます。

普段は、前夜コンビニで買っておいた、牛乳、パン、ヨーグルトで朝食をすませます。
朝起きて、スーツに着替え、エレベーターに乗って朝食会場まで行くのが億劫なのです。
特に、スリッパから革靴に履き替えるのが面倒なのですが、スリッパのまま闊歩できるほどの度胸はありません。

出張で泊まるビジネスホテルには、無料の朝食ビュッフェがついているところもあります。
宿泊代に含まれていると考えると、”無料”の意味がよくわからなくなりますが、そこはツッコまず、ラッキー💛と喜んでおくことにしています。
さすがに無料だけあって、ロビーには、飲料のサーバー、パン、ヨーグルト、スープ、以上!が並んでいるだけです。
ビュッフェと称しながらも、コーヒー、パン、ヨーグルト、スープを順番に皿にのせていくしか選択肢がないのですよ。
結局、コンビニの朝食と同じメニューになってしまうわけです。

いつもがそんな時短朝食なので、まれに仕事で観光ホテルなんかに泊まって、無駄に豪華なモーニングビュッフェがオールインクルーシブになっていると、逆にとまどってしまいます。
面倒だなぁと思いながらも「朝食ビュッフェが当ホテルの”売り”です」などとパンフレットに書かれていると、あえてお勧めに逆らってコンビニ食にこだわる程の強い信念は持ち合わせていません。
しかし、広い朝食会場に一歩足を踏み入れ、海の幸山の幸をふんだんに使った料理に群がっている肉食獣のような宿泊客の群れを見ると、小心なイダログはとたんに腰が引けてしまいます。
例の、シルバーに光り輝く、蓋を開閉して料理をとる、皿の下には熱源がある保温器具、アレってチェーフィングディッシュって言うんだそうです。
もうそれ自体が貴金属のような、ずらりと並んだ”アレ”にお出迎えされると、それだけで緊張してしまいます。
重たい蓋を開閉するとき、粗相をしでかすんじゃないかと、ドキドキするのは私のような小心者だけでしょうか。

内心オドオドしてるのを覚られないよう、先ずはトレイを持たず、料理の列を端から端まで確認します。
いかにも、オレみたいに場慣れしている客は、全体像を確認した上で、戦略を組み立ててから料理を選んでいくんだ、というような顔で臨むんですが、全部の料理を確認したからといって、何の戦略も思いつきません。
料理の前でうろうろしている、ただの挙動不審者です。

先ず、トレイに皿を乗せるというスタートの時点で躓きます。
どの大きさの皿を何枚のせるべきか、ついつい悩んでしまい、大きな皿に、パンとおかずと生野菜、それでもまだスペースに余裕があると、果物まで載せてしまいます。
逆に果物を入れるべき小さなボールのような器に、パンを入れてみたりと、ちぐはぐな盛り付けになってしまい、自分でも何故もっとスマートにできないのか自己嫌悪に陥ります。
朝食会場には、だだっ広いバンケットホールが使われることが多いのですが、おかわりをとるため席を立ったが最後、自分の席がわからなくなりそうで、ついつい最初の1回で全て済ませてしまおうとするからそんなことになるんですよ。
皆のように、落ち着いて何回か往復すれば、もっと色々な料理も楽しめるんでしょうが、いつもの習慣なのか、トレイに乗った料理を見ると、ミルクとパンと野菜とフルーツなのですから、いつものビジネスホテルの無料朝食とどこが違う?っていう話です。

ちなみに、海外のホテルだと、料理をとってきた後、口頭でコーヒーを注文することが多いのですが、coffee pleaseのcoffeeの発音にも気をつかってオドオドしてしまいます。
単純にコーヒーをお願いしたつもりなのに、ミルクと砂糖の入ったねっとりしたコーヒーがでてきたことが何度かあります。
韓国語のコピに聞こえちゃったのかな?と思いましたが、シンガポールにコピと言うミルクと砂糖が入ったコーヒー飲料があるようなので、そっちと間違われるような発音だったのかもしれません。
未だにcoffeeの正確な発音がよくわかっていません。

もう一つ根本的な、苦手意識の原因があるのです。
どんなに豪華なビュッフェ料理であっても、自分のルーティーンの朝食のキャパシティーからは決して出られないってことなのですよ。
いつもの朝と同じく、トレイ1回分に乗せられる程度の量しか食べられないわけですから、大勢の人混みをかきわけ、順番待ちに並んだ末に、いつもと同じメニューの朝食になってしまうモヤモヤだけが残ってしまうから、苦手意識が抜けないんでしょうね。

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