“もっちゅりん”の異常な人気ってどうにかならないものでしょうか。
定番のドーナツが食べたい私にとっては、行きつけのモール内のミスドの長蛇の列にはウンザリしてしまいます。
このところドーナツをあきらめて帰ってくる日が続いているのですが、”もっちゅりん”用とそれ以外で客の列を分けられないものでしょうか。
先日、娘が仕事の休憩時間にミスドの列に並んでいた時のこと。
前に並ぶおばあちゃんの手元に目が留まりました。
彼女の手には”もっちゅりん”の文字が書かれたメモ用紙がしっかり握りしめられています。
おそらく、娘や孫から「間違えずに買って来いよ!」とメモを持たされ、”もっちゅりん”が何者かもわからず、列に並んでいたものと思われます。
おばあちゃんになってまで”はじめてのおつかい”に送り出されるなんて、ちょっぴり哀しくなってきます。
私ももうじき退職したら、”はじめてのおつかい”を言いつけられるんだろうな、などと明日は我が身に置き換えて考えると複雑な心境です。
男って、給料を持って帰ってくる間は偉そうな顔をしていますが、会社と関わりがなくなると、何もできないポンコツばかりなのです。
孫のお迎えぐらいはできるかも。
最近の学校はセキュリティが厳しく、お迎えの身分を証明する入門証のようなものをストラップでぶら下げていないと校内には立ち入れません。
退職して社員証がなくなったら、次は保護者証に替わっちゃうんですね。
今、孫クンのお迎えは、もっぱら妻が担当しています。
先日迎えに行って、孫クンの友だちから囲まれた妻は、どういうわけか「本当におばあちゃんなの!?」とか「きれいー💛」とか言われたらしく、ご満悦でした。
子どもの頃から彫が深い顔立ちのため、同級生からハーフか?と聞かれ、実はロシアのクォーターだなどと、卒業するまで嘘八百を突き通した妻の面目躍如といったところでしょうか。
私も間もなく「今日は、お前が迎えに行け」と言われる日がきそうですが、「孫クンちは、ジイサンが迎えかよ。このままあの世に連れていかれるんじゃねえの」などとからかわれた日には、たとえ相手が小学1年生であろうとも、容赦なく頭をはたいてしまうことでしょう。
「無職の65歳の男が突然小学生を暴行し、その場で現行犯逮捕されました」などと、さも異常者のように報道されてしまうんでしょうね。
“無職の男”と呼ばれる日もそう遠くないイダログです。
最近の子どもたちは、週休二日制の会社社員並みに、習い事で大忙しです。
しかも、忙しい父母に変わって、祖母が付き添っているケースが多いようで、孫クンのスイミングでも祖母同士で話がはずむようです。
ママ友ならぬ、ババ友が日常の風景になってくると、余計ジイサンたちの肩身が狭くなること必定です。
あるおばあちゃんは、ほぼ毎日、孫の習い事に付き添っているそうで、しかも家に帰れば、夕食の用意までして家族の帰りを待っているとのこと。
最近の年寄りは、いったいいくつまでこき使われるのでしょうか。
さて、”もっちゅりん”のおばあちゃんですが、自分の番がきて、メモを見ながら”もっちゅりん”を注文したものの、既に初回に作られた分が残っている時間帯ではありません。
「午前中の分は売り切れです。次は午後3時になります」と店員さんからは無常な言葉が投げかけられます。
「はあー?3時!あたしゃ、そげな時間まで待っとられんばい。なんとかならんとね!」と食って掛かるおばあちゃんです。
はじめてのおつかいを命じられた可哀そうなおばあちゃんと思いきや、その正体はパワフルな”ターボババア(*ダンダダン参照)”でした。
小心ものの私だったら、すごすごと引き下がり、家に帰って家族から役立たずと罵られるんだろうな、などとやがてくる明日を想像させる”もっちゅりん”のエピソードでした。
