
Netflixオリジナル作品です。
20世紀初頭、西部開拓時代の末期から近代国家の繁栄が始まる頃の歴史を生きた、一人の男の物語です。
自らの出自もわからぬまま、身寄りもなく、何事にも興味を持てず成長し、森林伐採の仕事についた男ですが、やがて妻を娶り、娘にも恵まれたことで、ささやかな安らぎを手に入れます。
しかし、森林伐採の出稼ぎで家をあけている間に、思いもよらぬ悲劇に見舞われます。
それでも、悲しみを噛みしめながら、大自然の中で淡々と生き続ける男の姿が胸を打ちます。
出稼ぎ先の森林での一期一会や、一生の間の、ほんの僅かな触れ合いが、男の孤独な心をほぐしますが、そんな人々も、時がたち、やがてこの世から消えていきます。
そんな、人の一生の儚さと悠久の自然の美しさとの対比が、切ないながらも、不思議な感動を呼び起こします。
男のシンプルな人生を描くだけの作品ですが、自らの悲劇を静かに受け入れ、やがて土に帰るように生を終える男の姿には、飾り気のない命の原型のようなものが見えてきます。
自分自身が年を取り、出会いよりも別れの方が多くなってきたからこそ、よけい主人公の人生に共感してしまうのかもしれません。
娯楽作品とはまた一味違いますが、地味ながら心を揺さぶる良作です。
ちなみに、Tomatometerは95%の高評価です。
