おつかれさま

画像引用:Amazon

IUとパク・ボゴム主演のNetflixオリジナル、全16話のリミテッドシリーズです。

名作「マイ・ディア・ミスター」のキム・ウォンソク監督とIUのコンビとあって”期待しか”なかったのですが、記事を書きながらも目頭が熱くなるような素晴らしい作品でした。

済州島を舞台に、IU演じるエスンとパク・ボゴム演じるグァンシクが、1950年代の幼少期に出逢い、一生を添い遂げる物語が、韓国の現代史とカルチャーを背景に叙情たっぷりに展開します。
韓国のサブカルは、知識がないと感情移入できない部分もありましたが、当時韓国人が憧れたであろう日本のサブカルも織り交ぜられているためか、知識がなくてもノスタルジックな感覚は共有できます。

貧しい出自の主人公二人の人生は、決してドラマティックなものではありませんが、市井の人々の喜怒哀楽が丁寧に描かれているため、一定の年齢以上に視聴者にとっては、つい自身の人生に重ね合わせてしまい、毎回胸にこみ上げてくるものがありました。
ストーリーはシンプルながら、随所に仕掛けられた伏線とその回収が見事に機能しているため、毎回視聴者の心を捉えて離さない展開も魅力です。
憎み合っていた者同士の心が、長い年月を経て歩み寄り、融和に転じていく様も心を温めてくれます。

俳優目当てで映画を見ることが少なくなった昨今ですが、IUはそんな欲求を満たしてくれる数少ない俳優の一人です。
喜怒哀楽、どんな感情を表現させても出色の演技です。
本作では主人公エスンの演者が中年以降交代し、IUは主人公の娘役に代わるのですが、母と娘を演じ分けるIUの演技がまた見事です。
同じ血が流れる母娘なのに、微妙にキャラクターを変えて演じ分けています。

長い休みに、じっくり腰をおちつけて鑑賞したい名作です。

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