賞味期限

「明日の明日の明日で、パパの賞味期限は終わる…」
孫クンから不穏な言葉を投げかけられた婿君は「そんなこと言わないでよー、みーみ(=孫クン)💛」と、内心の動揺をひきつった笑顔で取り繕い、4歳児のご機嫌取りに余念がありませんん。
何気ない一言でパパを秒殺してしまう、いつもながら切れ味の鋭い塩対応でした。

味覚に鈍感な私にとっては、あまり賞味期限への拘りはないのですが、妻から牛乳買ってきてと頼まれた際は、帰ってくるなり必ず「ちゃんと、奥からとってきた?」と聞かれるのが怖くて、店員さんが見ていない隙に、商品棚の奥の方に手を突っ込んで引っ張り出してくるんですが、最近は遠視近視ともに怪しくなってきましたので、メガネを外して1センチほどの至近距離から、自分が手に取った牛乳と棚に残った牛乳の賞味期限を見比べる姿は、挙動不審者にしか見えないはずです。

物販に関連する仕事をしている人なら身に染みてお分かりと思いますが、在庫は先入れ先出しが基本ですよね。
奥の方から引っ張り出してくる度に、心が痛んで仕方ありません。
そうやって苦労して賞味期限が長めの牛乳を選んだところで、どうせ2,3日で飲み終えてしまうんですから、どうだって良いような気がしますが、家族の健康を預かる女性にとっては、2,3日の違いが許せないらしんです。
週末、妻と娘は一緒に一週間分の買い物に出かけますが、どちらが一早く牛乳やヨーグルトの棚に辿り着き、一日でも賞味期限が長い獲物を手に入れるかで、いつも競い合っています。

味覚に鈍感な私でも、賞味期限切れのビールが徐々に味が落ちてくることぐらいわかります。
賞味期限原理主義者だったら、そこにも注目してもらいたいものですが、ビールは信仰の対象外みたいです。
もとよりビールの味なんかには、これっぽちも興味のない妻なので、この時ばかりは安心して棚の手前から適当にカートに放りこむことができます。

我が家には、お菓子だけをストックしておくチェストがあるんですが、その中でも、とりわけ”頂き物”の菓子類には神経をとがらせていて、頂いたらすぐに箱に賞味期限を書き込んでおきます。
原則として、食べたい順番ではなく、賞味期限の順番に消費していくルールになっていますが、中には、同じ箱の中でも、お菓子の種類によって期限が異なっていることがあります。
例えば、プレーン味は1か月なのに、カスタードクリーム味は半月しかもたない、とか言うヤツですね。
そんなのも原則、賞味期限の順番で消費するのが我が家のルールです。

これだけ賞味期限に神経質になっていながら、一旦冷蔵庫に収まってしまうと案外無頓着になってしまい、気がついたら「この納豆は今日で賞味期限が切れるから早く食べなくちゃ」などと、唐突に納豆が夕食に出て来たりします。
それでも、うっかり期限が切れることがありますが、そんな時は「賞味期限が過ぎたって、”消費”期限が過ぎたわけじゃないから大丈夫!」などと簡単に妥協して食卓に並べますので、賞味期限原理主義者にとっては、少しでも日付の新しい商品を買ってきた、っていう達成感こそが大事なのかもしれません。

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