「能力覚醒モノ」に属する作品ですが、
かなりひねりが効いていて、思い込みでストーリーを追っていると、
敵役同様主人公の少女の思う壺です。
そこに引っ張り込むための前半のほのぼのとしたホームドラマっぽい演出も、
効果的に機能しています。
ひねりの効いたストーリーを活かすため、
能力覚醒モノによくある、
ある種の怒りが覚醒のスイッチを押すという演出は採用されていません。
そのため主人公による敵の殺戮シーンも、
カタルシスと呼ぶにはやや物足りない面もあったのですが、
格闘シーンの切れ味が出色で、そんな不満をすぐに忘れさせてくれます。
ハリウッド映画とは別次元のカッコよさです。
ディズニーには絶対真似できない血生臭さも、
スタイリッシュな描写により、それほど不快には感じられません。
2018年公開で、最初から複数部構成を予定しているため、
劇中も伏線張りまくりですが、ほとんど回収されていません。
また、ラストシーンも複数の解釈を匂わせて終わっています。
未だスケジュールは明確になっていないようですが、
続編が期待される韓国映画です。