ライアン・レイノルズ主演のSFコメディーです。
ディズニー映画ですが、製作は同社に吸収された20世紀スタジオです。
ゲームの中のモブキャラ(レイノルズ)が、AIによって人工生命を宿し、
ゲームの世界を荒廃させようとする敵(ゲーム会社のオーナー、タイカ・ワイティティ)と戦う話ですが、
そこに、現実世界の若いプログラマーのカップルが絡んできます。
女の方は、キリング・イブのジョディ・カマー、男の方は、ストレンジャー・シングスのジョー・キーリー、
といずれもシリーズドラマで頭角を現してきた若手が脇を固めています。
レイノルズは、デップーのような悪ふざけや際どいジョークを控えていますが、
上品な笑いでも、十分楽しませてくれます。
また、レイノルズの映画らしく、大物のカメオもテンコ盛りです。
VRの世界でキャラが自我を得て活躍する話は、
ある程度先が読めてしまいますが、最後まで観客を飽きさせない脚本と演出は、
さすがディズニー作品です。
また、犯罪者キャラに虐げられるモブキャラの悲哀と自立は、
現在社会の姿と重なりますが、押しつけがましいメッセージはなく、
あくまでも作品全体に優しさを与えるための隠し味程度です。
ラストもディズニーらしい予定調和ですが、心温まる佳作には違いありません。