「『ジョーカー』のオチ、わかった?」と娘に聞かれ、
「え?」という反応を返したところ(ジジイ、わかってないなと)鼻で笑われました。
どうやらラストシーンでホアキン・フェニックスの髪の色が変わっていたのがヒントだったようです。
途中、髪を染めるシーンに伏線が張ってあったのですが、色覚異常の私には、
髪の色が変わったことがわからず、ラストでそれが元の色に戻っていることもわかりませんでした。
と言うことで、color-blind(色覚異常)の話です。
洋楽の歌詞に、時折color-blindという単語がでてきますが、
”人種的偏見を持たない人”という意味もあります。
(欧米人と話す時、ネタにしようと思ってますが、一生ないかも・・・)
私が子供のころは、学校での色覚検査は必須でした。
小学生の身体検査で、「石原式」と呼ばれる、
大小の様々な色の円で構成された大きな円を見せられ、
浮かび上がってくる数字を読み取ったことがある人は多いと思います。
当時は知らなかったのですが、必ずしも数字が読める方が良いわけではなく、
逆に正常者だと読めないカードも混じっています。
皆が読めない数字が読めると、検査の人も複雑な表情で聞き返してきますが、
(どうだ!と)自信たっぷりに答えていました。
能力が覚醒したミュータントのような気持ちで、周りにも自慢してたんですが、
実は読めちゃいけなかったんですね。
当時は色覚異常が就けない職業が沢山ありましたので、
やや深刻な問題だったのかもしれませんが、
今まで特に悩むこともなく脳天気に生きてきました。
ただ、些細な場面では色々困ることもあって、
最近の信号はLED化されているため問題ないんですが、
昔の電球式の信号だと、
真ん中が黄色で、右端が赤、だよね、
けど、別々に見せられると、ウーン、チョットワカラナイ、でした。
(注.法的には色覚異常でも免許はOKです)
今でも田舎の交差点で見られる一灯式で、かつ電球式信号の場合は、
黄色だろうが赤だろうが、取り敢えず停止しとけ、です。
消費者に直接商品を即売する際、客が欲している色を間違えたことも何度かあります。
仕事上でよく困るのが、OA機器です。
プロジェクターなんかで、橙色が緑に変わったらスタンバイOK、
とか取説で当たり前に説明されてますが、ほとんど区別がつきません。
POLYCOMの最新機器は多少見やすくなりましたが、以前の機器の固定マイクだと、
ミュートなのか否かは、明るさで見分けるしかないんです。
原始時代我々の祖先は、暗い洞窟で身をひそめて暮らしていたたため、
色を識別する必要がなく、明暗を判断する能力の方が重要だったと言われています。
現在の色覚異常が、当時は正常だったんですね。
日本でも男性の5%は私のような問題を抱えているらしいので、
OA機器に関しては、もっと皆抗議の声を上げてもよそうなものです。
それよりもっと問題なのが、人の顔色がわからないという点です。
交渉事の際、顔色で相手の反応を判断できません。
逆に、この人怒ってんのかな?っていう場面でも、スルーできるメリットはあります。
そんな訳で決定的に困ることはないんですが、
万が一、トム・クルーズから緊急の指令がきた時は一大事です。
「いいか、イダログ、先ず薄いピンクのケーブルを切断しろ。
大丈夫、落ち着いてやればきっとできる」
「はい!」(ぶちっ)
「バカ!白じゃない!ピンク・・・」
と言った瞬間には、日本の半分は消えてなくなっています。