金のためなら平気で人を殺す極悪三兄弟が、
障碍のある少年を母親の許に帰してやる仕事を請け負い、
追っ手を次々にやっつけていく痛快B級作品です。
登場人物のほとんどは、極悪なのに、アホばかりです。
ビリー・ボブ・ソーントン(アンジーの昔のダンナ)扮するボスキャラも、
冷酷なのに間が抜けています。
彼に雇われた殺し屋達も、異常にキャラが立ってますが、
あっさり三兄弟にやられます。
一方で、「ダークナイト」や「ジョーカー」のように、
善と悪の曖昧な境界線を描こうなどと言う、大それた試みは皆無です。
ところどころで挿入されるアニメーションは、映画全体を軽妙なものにすると同時に、
三兄弟が示す出来心のような善意に対する、照れ隠しのようでもあります。
全体の画面は、血なまぐさく、埃っぽいのですが、
ハートウォーミングで、軽快な空気感の、優れたB級映画です。