ヴァイオレット・エバーガーデン

画像引用:Amazon

暁加奈氏のライトノベルを原作とする、京都アニメーションの傑作として名高い作品です。

氏の作品は今春配信の「春夏秋冬代行者」でもアニメ化されていますが、本作との間には、テーマの類似性も感じられます。

孤児のヴァイオレットは、軍人の家に引きとられ、人間兵器として育てられます。
感情を殺し、戦うためだけに成長したヴァイオレットは、育ての親のような存在であり、上官でもある中佐のギルベルトに対してだけは、盲目的な忠誠を捧げています。
中佐が戦場で斃れ、今わの際にヴァイオレットに残した「愛してる」の言葉の意味を探る、彼女の心の旅路が本作のテーマです。
戦争が終わり、代筆業に従事する中で、様々な人々との出会いを経験し、ヴァイオレットの心に色彩が戻ってくる様が感動を誘います。

ともすれば、共依存や相互依存の関係に陥りそうな、ヴァイオレットとギルベルトの関係が、本作では”愛”とは何かという問いに昇華されています。
依存することと愛することの曖昧な境界線よりも、主人公の再生に重きを置いたことで、京アニの緻密な表現力にも支えられ、美しい作品に仕上がっています。

一方で、「春夏秋冬代行者」の方は、その曖昧さをもっと深く抉ることによって、本作とはまた違った感動を与えてくれます。
こちらについては、またあらためて記事にしたいと思います。

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