
昨年のPart1、今年のPart2の二部構成で、本作はファイナルを迎えました。
物語の舞台は、肉食獣と草食獣が微妙なバランスで共存する世界です。
肉食のオオカミと草食のウサギのカップルを軸に、肉食獣と草食獣の間の友情や恋愛、対立や陰謀などが展開します。
設定が「ズートピア」のようですが、「ズートピア」が米国の分断を映す社会性の強い作品なのに対し、本作は、擬人化された動物たちの内面の葛藤を描く内省的な作品です。
呪いのようにつきまとう血や肉への渇望を抱えながらも、ウサギを愛し、慈しむオオカミ。
襲われ、食べられるかもしれない恐怖に怯えながらも、生へのあきらめを愛に昇華させ、オオカミを受け入れるウサギ。
そんな二匹の、ある種アブノーマルとも言える、危うい関係が胸を打ちます。
二匹を囲む、肉食獣草食獣それぞれのキャラクターたちも、同じような苦悩を抱えながら、友情や和解のために必死にもがき続けます。
悩める若い獣たちの青春群像には、息苦しささえ覚えますが、魅力的なキャラクターたちと細部まで凝った世界観、とりわけ、ストーリー性の秀逸さが、一気見を誘います。
また、どちらの種族にも属することができないマイノリティーの苦悩と狂気も描かれますが、やや駆け足で完結したこともあり、十分消化しきれておらず、本作がファイナルとはわかっていても、続編が期待される意欲作です。
