
“天””地””人”と続いてきた本シリーズも、いよいよ本作”神”で完結です。
明治維新を舞台にした、ちょっと毛色の変わったデスゲームモノかな、程度の先入観で読み始めたシリーズでしたが、最初から最後までページをめくる手がとまらないほどの面白さでした。
ストーリーの軸は、賞金目当てに集まった維新の残党たちによる、命を賭したゲームに過ぎないのですが、多くの登場人物(大半が途中で斃れてしまいます)一人ひとりの背景を丁寧かつ簡潔に描いているため、物語が深みと広がりを帯び、ついつい感情移入してしました。
歴史上の人物を効果的に織り込みながら、虚実入り乱れさせることで、アリティのある虚構世界をつ切り上げることにも成功しています。
スピーディーな展開、緊迫感溢れる戦闘シーン、どこをとっても一級の娯楽作品です。
これだけ優れた原作を基にして、しかも完結したばかりのタイミングなので、岡田准一さん主演のNetflix実写版は相当ハードルが上がったのではないでしょうか。
4巻を一度に購入し、徹夜で一気読みしても良いほどの傑作娯楽時代小説です。