板垣巴留さんの漫画を原作とするTVアニメですが、現在Netflixでシーズン2まで配信されています。
原作者の実父は、「グラップラー刃牙」シリーズの板垣恵介さんだそうですが、世界観はまったく違いますね。
人間が登場しない物語は、肉食獣と草食獣が共存する世界が舞台になっています。
と聞くと、「ズートピア」を思い浮かべますが、「ズートピア」が、世界の分断とその変革という外向きのテーマだったのに対し、本作は極めて内省的です。
人(本作の場合は獣と言うべきでしょうか)の内面に巣くう野蛮性や暴力性と、それを乗り越えようとする理性がテーマになっているように思います。
主人公は、内なる野生を押し殺しながら生きていきたことに葛藤するハイイイロオオカミの男の子です。
彼が、ドワーフウサギの女の子に対する愛情と狩猟欲の間で板挟みにあいながら、学校内で発生した肉食獣による草食獣殺食事件の真相を探る中で、成長していく物語です。
ただし、全体に漂う空気感からはもう少し不穏なものが感じられます。
命を喰らうという肉食獣の宿命と、喰らう対象への愛情や性欲、殺し喰らうことと愛欲との境界線の曖昧さが見え隠れしています。
主人公がその狭間でどちらへ向かうのか、ファイナルシーズンでは明らかになることでしょう。
TVアニメはシーズン2で終了していますが、Netflixオリジナルとしてファイナルシーズンが配信される予定なので、必見です。