グッド・ヴァイブレーションズ

画像引用:Amazon

北アイルランド紛争真っただ中のベルファストで、
レコード店「グッド・ヴァイブレーションズ」と、
同名のレーベルを創設した実在の人物、テリー・フーリーの物語です。
(私は、この映画で初めてその存在を知りました)

内戦をしり目に、ロック(正確にはパンク)に人生を捧げ、
地元の中堅バンドを育て、ベルファスト・パンクのゴッドファーザーと呼ばれた人物です。

2012年製作(日本での公開は2019年)の比較的新しい映画ですが、
当時の雰囲気を再現するためか、
映像自体もパンクっぽい雑さで、それがむしろ良い味を出しています。

夢、栄光、退廃、挫折、再生、といった音楽映画ではお決まりの展開ですが、
期待通りのラスト、フェスのシーンで、感動は一気に盛り上がります。

テリー・フーリーも、彼がサポートしたバンドも、
ロンドンに進出し、メジャーになることはありませんでした。
(いくつかのヒット曲は、ストリーミングで聴くことができます)

ラスト近く「俺の人生は負けてばかりだった」
とうそぶきながらステージに向かうシーンは、何度見ても胸が熱くなります。

カネや名誉には目もくれず、借金まみれになりながらも、
やせ我慢してカッコイイ生き方を貫く青臭さに共感できる、
中二病患者にはお勧めの作品です。

終始、内戦のニュース映像が流れますが、
声高に反戦を叫ぶわけではなく、淡々と、まるでBGMのように流れる映像は、
よけいに戦争の悲惨さを伝えてきます。

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