
数々の名作を生み出してきた、パク・ヘヨン氏の脚本によるNetflixの韓流ドラマです。
4月から配信されていたのですが、ずっとマイリストに入れたままにしていました。
良質なドラマとは、静かな心で、しっかり向き合いたいって言う気持ち、わかりますよね。
さすがはパク・ヘヨン氏、本作も期待を裏切らない傑作でした。
映画製作を夢見ていた8人の仲間たちの中で、ただ一人20年間デビューを果たせずにくすぶっている男、ドンマン(ク・ギョファン)と、幼少期のトラウマに苦しむプロデューサーのウナ(コ・ユンジョン)を中心に物語は展開します。
(「ムービング」で頭角を現したコ・ユンジュンの演技と美しさは出色です)
焦りや不安から周囲に悪態をつき、煙たがられているドンマンは、見ている方もいら立つようなキャラクターとして登場します。
おまけに、彼を囲む仲間たちも、決して感情移入できるような優しい人たちばかりではありません。
もう一人の主人公であるウナも、心の傷が憎しみ育み、相手に向けた刃で自分自身が傷ついているような人物です。
そんな二人が、一つの作品を作り上げていくことで、再生を果たす物語です。
人は誰しも悪意と善意を持ち、両者のせめぎ合いの中で生きています。
不安ゆえに心ならずも人を傷つけ、そのことで自分も傷つくことの繰り返しです。
そんな普通の人々が、苦しみもがきながらも、徐々に共感し合う姿を描かせたら、ヘヨン氏の右にでる者はありません。
最初は、ドンマンをはじめとして、イライラさせられるキャラクターばかりが登場しますが、誰しもが弱さや不安を抱えながら苦闘していることが伝わってくると、ドンマンはもとより、全ての登場人物たちが徐々に愛おしく見えてくるから不思議です。
「マイ・ディア・ミスター」や「私の解放日誌」に胸を打たれた韓流ドラマファンであれば、心に刺さること請け合いの傑作です。
