節分2025

豆まきに備え、自作のバトルアーマーに身を包んだ孫クンです。
あまりに重装備で武装しすぎていて、転んだが最後、自分で起き上がることもできず、時折、逆さになった亀のように床の上でもがいています。

孫クンも春から幼稚園の年長組になる年齢なので、そろそろ鬼の存在がフィクションだと気づきはじめています。
一昨年までは、豆まきの度にパニックに陥っていたのに、昨年からは、ヴィランをやっつけるヒーローの”ノリ”になっています。

それでは面白くない、とばかりに、悪だくみを企てるのが腹黒い娘(=ママ)です。
「今日はママが鬼になるからね💛」と、伏線を張る娘ですが、孫クンは私を相手に、紙を丸めた武器を振り回し、鬼退治の予行演習に余念がありません。
高齢者(=私)に対しても情け容赦ありません。紙を丸めただけの棒も意外と立派な凶器になります。

さて、本番スタート。
先ずは、紙のお面をかぶったママが、ガオーッと雄たけびをあげながら庭に面した窓から侵入してきます。
どこから見てもママにしか見えない鬼を相手に、孫クンも遊園地のシューティングゲームさながらに大はしゃぎです。

もちろん、そこで終わらないのが我が家の節分です。

フェイク鬼から人間に戻ったママが戻ってくると「オレが、鬼を追い出したゼイ」とばかりにドヤ顔で豆をほおばる孫クンでしたが、庭から再び不穏な雄叫びが。
何かを察したのか、素に戻った孫クンの顔が恐怖で歪みます。
「鬼が入ってくるからやめろ!」と叫ぶ孫クンを後目に、娘が庭に面した窓を開けると、ドン・キホーテで買った鬼のコスプレをまとった婿君が乱入。
パパに違いないと薄々わかってはいても、リアルな鬼の姿に、パニックに陥り泣き叫ぶ孫クンです。
「偽鬼め!あっちいけ!しつこいぞ!」と紙の棒を振り回したり、出鱈目にグーパンチを繰り出したり、挙句の果てには、唾を吐きかけるという完全に勝負を捨てたような攻撃まで駆使し、ようやく鬼を追い出しました。
うすうすパパとわかっていても、顔面は蒼白で、ショックの色は隠せません。

日頃から、婿君には塩対応の孫クンなので、こんな手の込んだ演出で脅してしまっては、今まで以上に嫌われるんじゃないかと、他家のことながら心配になります。
自分の家(私の家の隣です)に帰る途中で鬼に襲われるから今日は家に帰らない、と泣いて言い張る孫クンでしたが、その後孫クンの家からは、人間に戻ったパパを罵倒する孫クンの声が、家の外まで響きわたっていました。

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