義母の家の玄関に蜂が巣を作ったので駆除しろ、と妻から危険な任務を命じられました。
ビニールでそっと包んで根元からはずしちゃえばいいじゃん、とさも簡単そうに言い放ちます。
スズメバチの巣ではなさそうですし、大きさもまだ建築途中といった感じの5センチぐらいの小住宅ですから、その程度であれば造作もないようにも思われます(が、正直ちょっとだけコワい)
念のため、あくまでも念のためですよ、怖いわけじゃないんですよ、”小さな巣を自分で駆除するとき”と題した記事を検索してみましょう。
巣の大きさが6cm未満→素人でも1時間以内にできる「お手軽駆除コース」
自力駆除に必要なものはこちらの6つです。
と書かれていたのは、
1.ハチ用の殺虫スプレー×2本(1本は予備)
2.蜂の巣を落とす棒
3.白い服装
4.赤いセロファン付き懐中電灯
5.虫あみ
6.ゴミ袋
小さなな巣を駆除するのにも、こんなに入念な準備が必要なんですよ。
1.については、噴射したら蜂が飛び出してくるかもしれないが、構わず噴射を続け、一旦家の中に避難しろ、と書かれています。
そんなに凶暴な敵を相手にするとは思ってもみませんでした。
3.の白い服についても、専門の防護服がベストと書かれていますが、スキーウェアがあれば安心とのことです。
近所の人に見られたら明らかに不審者です。
おまけに、
手も厚めの手袋、足は足首が隠れる長靴を装備し、袖や裾のスキマはガムテープで留めましょう!また顔・頭もマスク、ゴーグル、帽子でしっかりガードしましょうね。
などと補足説明されており、ビニールでそっと包んで根元からはずしちゃえばいいじゃん、などと侮っていたらきっとひどい目に会いそうです。
とは言っても男の子なので、多少のデンジャラスはウェルカムなのですが、頭を過るのは、蜂さんのお気持ちです。
外出中の蜂が戻ってこないか見張っててやる、と妻は言うのですが、帰宅した時に巣がなくなっていたら、絶対「あれ?ボクの家は?」って相当なショックを受けるはずなんです。
巣の内部ってどうなっているんでしょうか?もしかしてベイビーが眠っている!?などと考えだすと心が痛みます。
妻に指示されたとおり、ビニールでそっと包んで根元から引きちぎったのですが、ビニール袋の中を小さな子蜂が飛び回る光景は見られませんでした。
先ずは一安心、外出中の主が帰ってくる前に、さっさと退散です。
どこか遠くから見張られていて、あとで復讐にきやしないか気が気じゃありません。
同じように良心の呵責を感じるのが「アリの巣コロリ」っていう殺蟻剤です。
アース製薬の商品ですが、蟻が食料と間違え、「アリの巣コロリ」を巣の中にせっせと運びこんだが最後、巣全体が全滅するという恐ろしい大量破壊兵器です。
潜入型ターミネーターのT800が、地下基地に入り込んできて人間を皆殺しにするシーンを思い浮かべてしまいます。
対ゴキブリ兵器にも、「アリの巣コロリ」と似た「ブラックキャップ」というヒット商品があります。
ゴキブリにも蟻のような巣があるのかな、と疑問に思って調べてみると、巣ではなく、集団で集まっている場所を巣と呼んでいるのだそうです。
私たちの知らないところにゴキブリたちの街があるらしんです(見たことありませんし、見たくもないですよね)
蟻にしろゴキブリにしろ、毒餌を巣に持ち帰った彼らが絶滅したかどうか確かめる術がありません。
一緒についていくわけにはいきませんし、仮に巣を見つけたからと言って、中には入れてもらえません。
ネット上では、効き目を確かめるため観察した人もおり、餌が毒だと気づき、途中から運ばなくなる蟻の集団もいるのだそうです。
とりあえず目の前から消えてくれたらそれで良しとしましょう。
絶滅させたと思うと心が痛むので、どこか別の場所で平和に生き延びているに違いないということにして、少しでも罪悪感を忘れるようにしています。