番長は、くわえている

「孫クンが、カイワレのことを何と呼んでいるか知ってる?」などと、漫才に情熱を注いでいた頃のダウンタウンの鉄板ネタ「クイズ何でしょう?」を思わせるようなクイズを娘が出してきました。
出かけようとしてる玄関先で、つかみどころのない質問をぶつけられ、「わからん!」と即答すると、「バンチョウだよ!」とすかさず横から孫クンが回答。

ここですぐにピンときたアナタは、昭和世代ですか。
まさか、小学生の頃夢中になっていたマンガに登場していた”番長”のことかな?と思ったら、孫クンはどこで目にしたのか、葉っぱを口にくわえた「男一匹ガキ大将」の戸川万吉を見て、番長は葉っぱを口にくわえている説を確信したようです。

いやいや孫クン、あれは葉っぱであって、決してカイワレではないよ、と訂正してやりたいところですが、どこかで葉っぱを拾ってきてくわえるより、カイワレの方が衛生的なのでそこはスルー。
腕を組んでカイワレを口にくわえ、番長のポーズをキメて写メにおさまる孫クンです。

現実にボロボロの学帽をかぶって、葉っぱをくわえている番長がいたら、ある意味、怖がって誰も近寄らないことでしょう。
ちなみに、当時のマンガの番長は、だいたい顔に×印の傷が三か所ぐらいありましたので、真似したくてボールペンで顔に書いてみたこがありますが、孫クンはそこまでバカじゃなくて安心しました。

そう言えば、「ドカベン」の岩鬼は木の枝のようなものをくわえていました。
「嗚呼!!花の応援団」の青田赤道はキセルでしたね。
時代劇では、「木枯し紋次郎」の長い楊枝が有名です。
紋次郎の真似もしたかったのですが、子ども心にも、あの長さの楊枝を口にくわえることが危険を伴うことぐらい理解していようです。
ランチを終えた昭和のサラリーマンは、食堂から”シーハーシーハー”って言いながら爪楊枝をくわえて出てきました、っていうマンガでは定番の描写もありましたね。

試しにAIにも「口に何かをくわえているヒーローを教えてください」(こんな時も敬語で質問してしまう弱気なイダログです)と質問したんですが、返ってきた答えは「ウルヴァリンが葉巻をくわえている」とか「ルパン三世がタバコをくわえている」などという面白味のないものでした。
AIが人間並みのセンスを身に着けるにはもう少し時間がかかりそうです(多分AIは、そんなセンスは必要はないと思っているはずです)

欧米だと、”くわえ煙草”になるのかもしれません。
古くはハンフリー・ボガードですが、私の世代だと断然エリオット・グールドです(ついてこれてますか?)
ロックスターだと、咥え煙草でギターを弾くキース・リチャーズがとてもカッコよくて、真似してみたものの煙が目に沁みてまともに弾けたもんじゃありません。
なんかコツでもあったのでしょうか。

タバコを止める少し前、当時流行っていた「禁煙パイポ」を試したことがあります。
最近は、くわえ電子タバコのオジサンも増えていますが、結局男は、赤ちゃんの時のおしゃぶりの名残で、何かを口にくわえていないと不安なのかもしれません。

さて、このブログを書いている時点では、すでに孫クンから番長ブームは去っています。
毛糸の帽子で鼻まですっぽり顔を覆い、タオルケットを羽織ってポーズをとる孫クンの写メが送ってきました。
テルテル坊主かな?と思ったら、彼のマイブームはバットマンに移ったようです。

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