指折り数えて

言葉としては、「指数え」っていうみたいです。

子どもの頃は気づかなかったんですが、
長じてから、指を折って数える時の方法が人と違うことに気づきました。
以来数十年、矯正することもなく、いつの間にか人生も終わろうとしています。

どうするかと言うと、
右手の拳を握った状態から、小指を立てて1、薬指を立てて2、という風に、
掌を開いていって、5の親指を立ててパーになります。

次に、左手で同じ動作を繰り返し、両手が開き終わったら10ですね。
よく考えたら、指を折ってません。

人前でいきなり小指を立てると、「オレの愛人にならへんか」って聞いてるみたいです。
または、こいつ小指で鼻くそ飛ばしてやがる、って疑われる可能性もあります。

無意識に人前で”指数え”していて、ハッと気づいて恥ずかしくなることがあります。

箸の持ち方や鉛筆の持ち方みたいに、子供の頃、親から教わらなかったのか、
とか言いがかりをつけてくる人もいないとは限りませんので、
本当に間違っているのか調べてみました。

ナイジェリアとフィリピンが、グーから小指を立てて始まるんですが、
6はパーの親指を折るから、ちょっと私のとは違います。

米国もグーから始まるんですが、親指を立てて1だそうです。
やってみると、最初のサムアップは何となくカッコいいんですが、
薬指ぐらいから、指が”ツリ”そうになります。
米国人は、関節の構造が違うんでしょうか。

中国と台湾は、説明するのが嫌になるくらいややこしいので、自分で調べて下さい。

「数学文化学(Ethnomathematics)」とかいう分野で研究されているみたいなので、
“指数え”も意外と奥が深いんです。

指折り数える場面ってそんなに思い当たりませんが、
会議や宴会の参加人数を確認する時って、顔を思う浮かべるだけじゃ数えられなくて、
必ず途中でわけがわからなくなりますから、”指数え”が必要です。

それでも、印象の薄い人は忘れられがちで(私です)、数が合わなかったりします。
自分を数えてませんでした、っていう定番のオチもありますね。

そこで、イダログが出した結論は、
数える対象が頭の中にしかない場合、指とか”正の字”とかカレンダーとか、
具体的に形のあるものに置き換えないと数えられない、っていうことです。

脳科学的な要因がありそうなので、誰か研究してくれないでしょうか。

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