Netflixオリジナルの韓国版「寄生獣」です。
地球外から飛来した寄生獣による人間社会への侵略という、大枠の設定や展開は原作を踏襲していますが、全体の空気感はやや異なり、本作は韓流らいしいダークなアクションホラーに仕上がっています。
名作だった原作とは別物だとわかっていても、やはり比較せずにはいられませんでしたが、多少の違和感を感じつつ見始めると、ハリウッド並みのスケールの大きさや、スピーディーな展開に魅せられてしまいました。
ところが、終盤に差し掛かるにつれ、徐々に原作の味付けに近づいてきて、最後は、原作に込められていた思いを損ねることなく、見事に着地を決めてきました。
原作では、宿主(泉新一)と寄生獣(ミギー)との直接の対話によるコミュニケーションが、哲学的でもありユーモラスでもあり、一つの見どころでしたが、本作の主人公(スイン)と寄生獣(ハイジ)は、直接の対話ができない設定のため、手紙というアナログな手段で対話します。
そんな、原作とは異なるアプローチを辿りながらも、最後には、”手紙”に書かれた短い一文に、泉新一とミギーの対話に勝るとも劣らない、ハイジからスインへの熱い思いが凝縮されていて感動を誘います。
同じく終盤では、寄生獣側の一匹に”田村玲子”的な立ち位置が与えらたりしており、原作への愛が強く感じられる心憎い演出でした。
ラストのサプライズには触れませんが、シーズン2が期待される良作です。