地雷グリコ / 青崎有吾

画像引用:Amazon

以前アニメ版を紹介した「アンデッドガール マーダーファルス」シリーズの小説の原作者、青崎有吾氏による、直木賞の候補作にもなった良質なエンターテインメント小説です。

表題の”グリコ”は、じゃんけんでグーを出して勝った時に進める数、グ・リ・コのことです。
その他、”だるまさんがころんだ”など、アナログなゲームを基に、そのルールを一捻りし、改変したゲームで競い合う、天才的戦略家の女子高生のお話です。

本作の面白さは、相手との心理戦、心の読み合いです。
相手の考えを読みながら、裏をかいてきそうな相手の、そのまた裏をかき、といった緊張感溢れる心理戦が繰り広げられます。
囲碁将棋を問わずゲーム全般が苦手なイダログなので、正直種明かしを読んでも100%理解できたわけではないのですが、心理戦の緊迫感と、無敵の主人公のカッコよさに、ページをめくる手が止まりません。

最強の相手との対戦には、過去の因縁が絡んだ人間ドラマの味付けもなされていますが、アナログなゲームのちっぽけな世界で繰り広げられる、ドラマチックな戦いを描いた本作は、今までお目にかかったことのない斬新な娯楽作品です。

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