数十年に一度、皆既日食ぐらいの頻度でミロを飲みたくなることがあります。
所謂「強い子のミロ」ですが、発売は1973年、私が中学1年生頃なので、既に50年ほど続くネスレの子ども向け飲料です。
始めて飲んだ時、この世にこんな美味しい飲み物があるのか、と感動したのですが、ほどなく食卓から姿を消しましたので、すぐに飽きてしまったのか、または牛乳で十分やろ、という家計の事情もあったのかもしれません。
それでも「強い子のミロ」を初めて飲んだ時の感動が忘れられないからでしょうか、時折飲んでみたくなるのですが、前期高齢者の分際で、”強い子”のための飲み物に手を出すのは、ちょっと勇気がいります。
ところが、ネットで調べてみると、ミロの立ち位置もコロナ禍で変化していました。
SNSで鉄分補給に効果があることがバズり、今や女性向け健康飲料に様変わりしています。
それで味をしめたのか、「大人のミロ」なるものまで売られていて、一時的に品切れ状態になったこともあったそうですから驚きです。
マーケティング戦略で言うところの、CEP(カテゴリーエントリーポイント)の変化ですね。
未だに「強い子のミロ」だと思い込んでいたイダログにとっては、かつてあどけなかった少女が、いつの間にかグラビアアイドルに成長してしまったような衝撃を受けます。
強い子”だけ”のミロではなくなっていたんですね。
ところが、ミロと聞いて盛り上がるのは私だけで、私以外の家族は誰一人興味を示しません。
我が家の冷蔵庫や戸棚を勝手に開けては、新しいお菓子や飲み物を目ざとくみつける孫クンでさえ、大騒ぎして妻に作らせた(ミロは牛乳で溶いて飲みます)ミロを、一度飲んだだけで二度と欲しがろうとしません。
もしや、ミロ仲間ができるかな、という期待はあえなく崩れ去りました。
誰かにお土産でいただかない限り、自分から買って食べることがない好物に、外郎(ういろう)があります。
羊羹のフリをしながら(外郎にはそのつもりはないはずですが)、得体の知れない味と食感を持っているからでしょうか、あまり周囲に好んで食べる人を見かけたことがありません。
いわんや家族をや、です。
以前は、家族に外郎の魅力を伝えよう試みたこともあるのですが、
「何?このボンヤリした味。しかもねちゃねちゃした食感。食べ物じゃないものを食べているみたい」
などと、外郎にとっての長所を完全に否定されてしまうと、魅力の伝えようがありません。
確かに、羊羹をイメージして食べると、味も食感も見事に期待を裏切られますが、外郎には小豆餡は入っておらず、まったく別物なのに「羊羹と違うじゃん」などと見当違いなことを言われても困ります。
そう言えば・・・、思い出しました。
私が小学生の頃は、九州でも名古屋の「青柳ういろう」のCMが流れていたのです(ネットで確認すると1969年から放映されていたそうです)
当時は意外とメジャーな和菓子だったか、またはメジャーな地位を目指していたのかもしれません。
♪白、黒、抹茶、上がり、コーヒー、ゆず、桜、青柳ういろう〜♪
の歌は、未だに脳裏に焼き付いていますが、当時、「上がり」というのが何のことかわかりませんでした。
ネットなどなかった時代ですので、わざわざ調べることもなく50数年経ってしまったのですが、今回あらためて検索してみて謎が解けました。
上質な”こしあん”のことを”上がりあん”と言うのだそうです(外郎に興味がないアナタにとっては、だから何?って感じですか)
以前記事にしたFDA(フジドリームエアラインズ)のおやつのラインナップには「青柳ういろう」も含まれているのですが、提供している便が限定されているらしく、未だにお目にかかったことがありません。
名古屋以外でも、山口、小田原、伊勢、なども名産品にしていますが、それぞれ材料が微妙に異なっており、特徴があるようです。
まだ食べたことはないのですが、大分県中津市には、外郎本舗栗山堂の「外郎饅頭」と言うのがあります。
その名のとおり、小豆の餡を外郎の皮(生地)で包んだ饅頭です。
一見、羊羹の力で外郎の弱点を克服しようとする画期的なアイディアのようにも思われますが、逆に双方のファンから敬遠される危険性も孕んでいやしませんか。
引退したら、全国の外郎を食べつくしてやろうと意気込んでいるイダログです。
