図書館の魔女 烏の伝言 / 高田大介

画像引用:Amazon

ファンタジー文学の傑作「図書館の魔女」のレギュラーシリーズ第5巻です。

今回は、これまでのメンバーと構成がやや異なり、シリーズの主人公、”図書館の魔女”マツリカは物語終盤での登場となります。
第4巻で巻き起こった大国同士の緊張状態は一旦収束したものの、当事国の一つ”ニザマ”では、政情不安が続いています。
本作では、国内の政争に翻弄された市井の人々や孤児たちの姿を通して、平和の尊さが描かれています。

言語学者でもある高田氏の文章は、相変わらず難解です。
この漢字には、こんな読み方があったのか、と感心しながらも、ページ一杯に詰まった文章を一字一句読み込むのは結構骨が折れます。

娯楽作品としても秀逸なのですが、言葉とは何か、コミュニケーションとは何か、といったマニアックなテーマにも迫る内容なので、誰にでもお薦めできるシリーズではありませんが、難解な文章を乗り越えた先の物語終盤には、主人公マツリカの快刀乱麻の活躍が待っています。
これまでのシリーズ同様、最後の最後には胸のすくようなカタルシスが味わえますし、今回の登場人物たちも魅力的なキャラクターばかりです。

すでに第6巻は単行本で上梓されていますが、本シリーズがファンタジー文学の傑作であることは間違いありません。

タイトルとURLをコピーしました