レンタルファミリー

画像引用:Amazon

「37セカンズ」で注目を浴びた、HIKARI監督の作品です。
主演のブレンダン・フレイザーが、東京で暮らす売れない外国人俳優を演じています。

フレイザーは、俳優だけでは生活できず、家族からの依頼で偽の家族や関係者を演じる人材を派遣する、平岳人が運営する会社に職を得ます。
偽物を演じるうちに、本当の家族や友のような関係を築いてしまい、ともに共感したり悩んだりしながら、自身の再生も見出していくという、鑑賞する前から展開が想像できてしまいそうな作品です。
それでもなお、本作を非凡な作品たらしめているは、HIKARI監督の丁寧な演出であり、主演者たちのすばらしい演技です。

邦画の中で、外国の俳優が日本語で演技すると、えてして緊張感に水を差してしまうことが多いのですが、フレイザーに関しては、英語でも日本語でもまったく違和感なく作品に溶け込んでいます。
邦画に必要とされる、細やかな心の動きを見事に演じられるのは、決して平坦ではなかったブレイザー自身の役者人生が、演技に深みを与えているからかもしれません。

一方、平岳人さんは、ハリウッド俳優にも引けをとらない、日本人離れした重厚な演技を見せてくれます。
ブレイザーの同僚を演じた山本真理さんも同じく、海外での演技経験が豊富だからでしょうか、強い存在感を放っています。

何より出色なのは、柄本明さんです。
平常運転の日本的な演技に徹しているのに、ちゃんとフレイザーの演技と嚙み合っているのは、人種や文化の壁を越えた優れた演技力をお持ちだからでしょうか。

穏やかな展開の中に、滲み出てくるような人間の寂しさや優しさが感じられる良作です。

タイトルとURLをコピーしました