“ラン活”なるものを最近知りました。
娘や息子の時にはなかった風習なので、孫ができて初めて知った社会現象です。
世の中はそろそろ就活の季節ですが、幼稚園児にとってはラン活がさながら就職活動のようです。
人気のブランドは予約制なので、最近は休みの度に予約を入れ展示場に足を運ぶ孫クンファミリーです。
私が小学生だった頃は当然ですが、娘や息子の頃も、男子は黒、女子は赤と決まっていましたので、ランドセル選びに苦労することはありませんでした。
今は色もデザインも多種多様なので、自分の懐が痛まない限り、傍で見ている分には楽しそうなイベントです。
(ジイジとバアバには、もっと高いものを買ってもらおうね💛という言葉は聞き捨てなりませんが…)
孫クンがラン活の最初に訪れたブランドの展示場は、✨星がキラキラ、👼天使が飛び交うメルヘンな演出がほどこされた空間でした。
ディズニーランドのキャストのような制服を身にまとったスタッフさんが、サロンのような空間で接客してくれるわけですから、まだ世の中の厳しさを知らない幼稚園児たちが、自分たちをお姫様王子様なのではないかと勘違いするのも無理からぬことです。
(十数年も経てば、厳しい現実に向き合うことになるんだよ、楽しいのは今だけだよ、園児諸君!)
お姫様大好きな孫クン(♂です)の心を最初に捉えたのは、大きなリボンがチャームポイントで、裏地には花びらが舞い散っている銀色のランドセルです。
先ずは、それを背負って恍惚の表情で写メに収まる孫クンですが、この4月から年長に上がったばかりの孫クンに、リボンがついたランドセルで来春から6年間過ごさなければならないことの危険性を理解できるはずがありません。
少し心配になりましたが「孫クンの自主性を尊重してあげて!」と一喝する娘には妻も逆らえません。
孫クンはどうやら、季節やその日の気分に応じ、ランドセルも洋服を着替えるように着替えられるものと勘違いしていたようです。
最初はとっかえひっかえ色々なランドセルを背負ってご機嫌な孫クンでしたが、一つに決めなければならないことは理解してくれました。
本命はすでに心に決めており、ブランドに関係なく孫クンのお目当ては、黄色のランドセルだそうです。
但し、私が想像していたような交通安全に登場する黄色ではありません。
「ライオンの隠れ家」でライオンがプレゼントされたライオン色のランドセルのようなオシャレな黄色です(高齢者の方ついてこれてますか?)
ファッションの世界では「捨て色」なる言葉があります。
新型の車が発売される時は「イメージカラー」と言う、とても美しい色だけど、果たして誰が買うの?っていう色味がありますよね。
「捨て色」を揃えておく方が全体の売上が上がるというのがファッション界の定説です。
孫クンは以前から黄色が好きでしたし、黄色を好む子どもが多いのも事実ですが、ランドセルで黄色を選ぶとなると話は別です。
大人だったら普通は、イメージカラーの車は敬遠しますもんね。
小学校で黄色のランドセルだとマイノリティーになるんじゃないかとか、大人はついつい余計な心配をしてしまいますが、子どもはそんなこと知ったこっちゃありません。本能と感性の赴くままです。
散りゆく桜と来春までお別れすることに号泣するほど感受性の強い孫クンです。
「君は平安貴族か」と突っ込みたくなりますが、そんな「みんなちがって、みんないい」の孫クンなので、色味の選択も自ずと斬新になります。
妻は「どうせ学校で配られる交通安全の黄色いカバーを被せるんだから同じことじゃない?」などとのんびり構えています。