2023年の映画、ドラマで、My No.1になりそうな作品です。
Disney+独占配信の韓国ドラマですが、小さい子どもが家にいないとDisney+までは加入していないと思いますので紹介するのが心苦しいんですが、それでもあえて多くの人に話したくなるような傑作です。
韓国の歴史の陰で秘密組織の工作員として活動していた超能力者たちが、組織の衰退後、身を隠して暮らしていたものの、超能力が子ども世代に遺伝することを知った政府が、再び子ども世代を北朝鮮との抗争に利用しようと暗躍します。
子どもたちを守ろうとする親たちと韓国政府の戦いに、アメリカや北朝鮮による能力者狩りが絡み、緊迫したストーリーが展開します。
所謂ヒーローものの範疇に入るのかもしれませんが、本作がハリウッド映画のヒーローものと一線を画しているのは、戦いの背景にある人間ドラマが丁寧に描かれている点です。
子ども世代のエピソードを描く時は瑞々しい青春ドラマ、親世代を描く時は純愛メロドラマ、アクションシーンではグロくて目を背けたくなるほどの韓国ノワール、と言った感じにそれぞれのエピソードで物語のトーンを変えながらも、主人公たちの人間ドラマを全力投球で描き切っています。
丁寧な描写は主人公たちだけにとどまらず、敵役のアメリカや北朝鮮の能力者たちについても例外ではありません。
冷酷非情な敵役にもかかわらず、悲惨な生い立ちを背負いながら戦い、次々に命を落としていく姿には切なさが漂っています。
エピソードによって物語のトーンが目まぐるしく変化するので、一見、ごちゃ混ぜで統一感に欠けるように思えてしまいますが、それぞれのエピソードが見事に噛み合い、美しい全体像を作り上げていくため、高揚感が途切れることなく、一気見を誘います。
見事な演出により、セリフの”間”が計算しつくされているため、何気にない一言が絶妙なタイミングで心に刺さってきます。
本作を見るためだけに、１か月間Disney+に加入しても損はないと思います。