制作年度は、「ホテル・デルーナ」の前年です。
なんのこと？って、もちろんＩＵのことです。
韓流は、そんなに守備範囲が広いわけではありませんので、
独断と偏見ですが、傑作！です。
人生に希望が持てない中年のサラリーマンと
辛い過去を背負った派遣社員（ＩＵ）の出会いと再生の物語です。
・・・と聞くと、何となく内容が想像がついてしまいますが、
そんな先入観をすっかり忘れさせてくれるほど、
登場人物達の心模様が丁寧に描かれ、素直に胸が熱くなる作品です。
放送局によって、27話だったり16話だったりします（一話の長さの違い）が、
いずれにしても長丁場です。
しかし、主人公や周囲の人々の思いを丁寧に描いていくため、
長いようですが、無駄がありません。
また韓流らしく、一話見終わるとすぐに次が見たくなる中毒性を備えています。
中盤までは、二人の辛い人生が身につまされ、見ている方が憂鬱になりますが、
そこを乗り越えればぐいぐい物語に引き込まれます。
この作品でも、ＩＵの演技は素晴らしいです。
終始無表情なのですが、時折激しい感情を、抑えた演技で垣間見せる瞬間は見事です。
一方中盤以降は、抑えていた感情を思いっきり迸らせる場面が多くなり、
否が応でも物語全体を盛り上げてくれます。
もう一つの見どころとして、サイドストーリーの展開があります。
主人公二人に劣らず、彼らを優しい眼差しで取り巻く人々も、
皆挫折を経験し、不安や後悔を胸に日々を懸命に生きています。
メインストーリーとサイドストーリーが、
同時進行で絶妙に絡み合いながら大団円に向かっていく展開も見事です。
劇中何度もでてくる、ファイティン！という韓国語が、
不思議と日本人の心にも響いてきます。